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夏生詩集3

モンスター

作者: 夏生

こわいを机の下に

隠して

自分より弱そうな子を

見つけては

こわい、から逃れようと

言葉の礫をぶつける


こわいから一人では

いられない

一人ではいられない、が

連なって重なって

巨大なモンスターになる


一人一人はただの魚

ちっぽけで脆いのに

モンスターになると

たちまち破壊してゆく

人の心も身体も容赦なく


こわいから

こわくてたまらないから

モンスターは必死で礫を

ふりおろす


一人一人に戻れば

あちこち散らばって

モンスターの所業と自分を

ばらばらにして逃げてゆく


礫を降り下ろし

傷つけた跡は消えない

一人一人の魂の奥に破片が

心と身体を壊された人の破片が

突き刺さっている


忘れたころに思い出す

一人一人がいちばん幸せなときに





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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして麦巻橙(むぎまき だいだい)と申します。 色々な詞を書かれていたので目に止まりまして 拝見させていただきました。 特にこのモンスターには胸がチクチクとして 痛烈に印象に残る作…
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