世界(短編)
あえて言おう。
完成度は、低いと。
ところで「死体が発見されたよー」って残酷描写に入りますかね? 一応チェック入れてるんですが。
ある男が、世界の隅々まで渡り、日本へ帰国した。
マスコミが殺到してくる。
仕方なく男は自宅にてマスコミの取材に応じることになった。
自宅に着いてマスコミが最初に聞いたことは、「世界を旅しようとしたきっかけ」だった。
男は頷き、語り始めた。
その時の話が以下である。
うん。世間的には「暇だった」と書いてあった筈だね。
実は違う。
私が高校生の頃、心霊体験を経験したことがある。
それがきっかけだ。
……私は、大きな声では言えないが、それ以前はネットに入り浸っていた。
そして、今で言う、SNSに登録して、家でゴロゴロしていた。
ある日、一通のメッセージが届く。
女の人だった。
私は急いで返信した。
ほぼ同年代だということもあり、意気投合した覚えがある。
私は、彼女と夢のような数ヶ月を過ごした。
だが、奇妙な事に気がつく。
彼女が知り得ないはずのことを知っているのだ。
『今日の昼、何を買ってきたのか』
これは彼女に教えていなかった情報だ。
それを、彼女は知っていたのだ。
幸い、パソコンに詳しい友人が一人いて、彼女の言動に不信感を感じた友人は、私のパソコンを調べた。
――だが、ネットになんて繋がってなかった。
「買った時にはネットには繋がっていた」筈なのに「このSNSに接続する時だけ切断される」現象が起きていた。
友人はそれ以上解明できぬまま自宅へ帰っていった。
《私のこと、バレちゃいましたか?》
モニタが開く。
彼女は語った。
自分がネット界の亡霊――地縛霊と言い換えてもいい――だということを。
自分と話をしてくれる私と一緒にいたい――つまり死んで、ネットの世界に来て欲しいと。
私は悩んだ。
もし肯定すれば、私は"彼女"と二人きりの世界で永遠に過ごすことになる。
もし否定すれば、彼女ともう二度と会えなくなる。
そして考えた末に、一つの結論が出た。
「ありがとう。君のおかげで、私が何をしたいか再確認することができた」
その後に、「君を救いたい」と言った。
何年、何十年、何百年かかってもいい。
世界を巡り、必ず君を救う術を探しだして見せるから、待っていてくれ、と。
彼女はそれを聞き、《待ってる》と返してくれた。
今回は一度帰国したが、もう戻らないかもしれない。
男が言い終わると、マスコミは沈黙していた。
「できれば記事にしてもらいたくない。私自身の問題だから」
そう言って、旅の支度をし、部屋を出て行った。
それから数十年後、彼と女性の死体が、とある砂漠にて発見された。
死んで時間が経っている筈なのに、死体は死後硬直すらしていないような状態だった。
男と女性は穏やかな表情で眠っており、お互い、涙を流しているように見えた。
それを聞いたジャーナリストの男性――彼の一番の友人は、大粒の涙をこらえながらこう語った。
「あいつ、ようやっと逢えたんですね。天国で楽しく暮らしてるといいな」
完成度低いっしょ?
いろいろなサイトを見て回って、それを参考にオリジナル短編を作ろうと頑張っています。
今回はハッピーエンドがバッドエンドかわからない状態になっちゃいましたw