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寄り道怪談  作者: 昼中
34/40

ダウンジャケット

 


 電車に揺られて通学していたある日。

 いつものようにドアの近くに立って外を眺めていた。

 ドアの窓ガラスに人が映り込む。

 私の後ろを、ダウンジャケットの襟を立てて、深く、深くうなだれた男が歩いて来たのだ。

 ゆっくりと歩く男は私の背中の真後ろでピタリと立ち止まった。

 しかし、後ろに誰もいない事は分かっている。

 真後ろにいるはずなのに、気配が全くしないからだ。

 怖いとは思ったが、私は勢いよく振り向いた。

 案の定、誰の姿もない。

 ただ、斜め後ろに座っていた女性が一人だけ私の方を見ていた。

 目を見開いて、ぽかんと口を半開きにしながら。


 ダウンジャケットの男の姿はそれ以来見ていない。

 だから私は困っている。

 歩いてやって来た姿は見たのに、私から離れていく姿を見ていないからだ。

 私の知らない間にどこかへ歩き去ってくれたのならいい。

 だが、もしもまだ私の後ろにいるとしたら。

 もしも誰か、私の背後にダウンジャケットの男を見ることがあれば。


 その時は近所の神社に駆け込んで、即刻お祓いをしてもらうと決めている。


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