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寄り道怪談  作者: 昼中
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影絵

 近所の図書室での話だ。

 明るい窓を背にして、ゆっくり本を読んでいると人の気配を感じた。

 振り返ると、大きな窓ガラスに人の影が映っている。

 昼間なのでぼんやりした灰色だが、まるで窓に貼り付くような人間の影。

 影絵のようにシルエットしかわからないが、酷くボサボサの短い髪をしている。

 一瞬驚いたが、私はすぐに興味を失くして本に向き直った。


 なんてことはない。

 通行人の影が伸びてきてガラスに映っただけか。


 そう納得したところで、再び窓の方を振り向いてしまう。


 透明の窓ガラスに、人の影だけが影絵のように映ることはない。

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