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とある居酒屋の女将さんの話
「私もね、この店をやることになった時に部屋探したんよ。
店に出る時に着る着物を置いておくスペースが欲しくて。だからこの近くに小さくて安いアパートを見つけてね。
家賃二万五千円!安いやろ?
ここにしようって決めたんやけど、友達のスナックのママさんとその部屋の前通った時、ママさんが言うんよ。
『あー、あの女の子成仏したんやね』って。
『いつもここに居ったけど、最近見なくなったからきっと成仏したんやわ』って言い出すんよ。
そんなん聞いたら、『成仏した』って言われても、ねぇ?
だからそこ借りるのやめて店の裏に着物置くスペース建ててもらったんよ。
私は何も見えへんよ?見えへんけど、気にならないかは別やし」




