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寄り道怪談  作者: 昼中
17/40

貧乏神の人

 私が個人店の居酒屋で働いていた時、女将さんが突然「貧乏神、っておるんよ」と話し始めた。

 それは見えない神様を指しているのではなくて、「貧乏神」の人間がいる。

 女将さんの、今は亡き旦那さんが教えてくれたそうだ。

 その頃、店にたまに来る社長がいた。

 羽振りがよくて、暴れもしないし、失礼なことも言わない良いお客さんだったらしい。

 ところが女将さんの旦那さんは、その社長が来ると嫌そうな顔をする。

「どうして?」と聞くと「あの人、貧乏神やから」って言ったそうだ。


「あの社長が来ると客が誰も来なくなる。そういう人がたまにおるんや」


 旦那はそういった存在を「貧乏神」と呼んだ。

 飲食店ではよく囁かれる話らしい。

 そう言いながら、女将さんは勝手口の扉を開けて外の様子を伺った。

 大通りなのに人っ子一人、歩いていない。

 今日は常連さんが一人で来てから、ピタリと客が来ないのだ。

「あの、さっき来た常連の○○さんって……」と私が聞くと「◯◯さんも、ちょっと貧乏神だと思ってるからこの話ししたんよ」と女将さんは答える。


「◯◯さんが来たら、客が来ない事が多いでしょ」


 女将さんは荒っぽく扉を閉めて吐き捨てるように呟く。


「あの社長が死んで安心しとったのに」



 この話を実家に帰った時、妹に聞かせた。

 IT関連の仕事をしている妹は「確率の問題じゃない?」という反応をする。

 だが、「そんなことはありえない、とは言わない」と答えた。


「この人があの椅子に座ると、機械がおかしくなる」

「この人が触った時だけ、特定の電子機器が不調をきたす」


 妹の世界でもそういう事はあるそうだ。

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