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寄り道怪談  作者: 昼中
12/40

お坊さんの琴

 小さなお寺で、お坊さんが琴を弾いてくれるイベントがあった。

 近所の人が集まって、小さなテントの下のベンチに座っている。

 琴を披露してくれるお坊さんが「本日は『水の変態』という曲を弾かせていただきます」と説明を始めた。

 水が雨や雪などに変化していく過程を表現した曲らしい。


「ただ、この曲を弾くと必ず雨が降るんですよね」


 お坊さんは困り顔だ。

 私もお客さんも皆、空を見上げた。

 確かに雲が少しあるが、天気予報では降水確率十パーセントだったはず。

 実際、太陽は燦々と光り輝いている。


「降るかな」「降らないでしょ」


 客席からもそんな声が聞こえる。

 演奏が始まった。

 美しい琴の音色が流れる。

 しばらくすると琴の音に混じって、ぱた、ぱたた、と何かを弾くような音がした。


「雨」


 誰かの言葉に、何人もが空を見上げる。

 いつのまにか、空は薄い白い雲に覆われていた。

 テントに雨粒が当たり、ぱたぱたと軽い音を立てている。

 その雨は曲が終わる頃にはすっかりやんでいた。


「やっぱり降りましたねぇ」


 お坊さんは愉快そうに笑った。


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