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怪談のビジネスマナー
遠い本社から視察にやって来た社長が、休憩時間中に妙なことを聞く。
「幽霊、見たことある?」
私は「いえ……」と一応否定する。
すると社長は「俺はある」と言うのだ。
それはある夜の出来事らしい。
並んで停車する二台のバスとバスの間に、黒い人影があった。
真っ黒な服を着て、頭には同じように黒い、四角い布をすっぽり被っている。
その姿は、歌舞伎の裏方をする「黒子」のようだった。
黒子は、何をするでもなくバスの間でじっと立ち尽くしていたそうだ。
「あれは絶対幽霊や」
力説する社長に、私は困り果ててしまった。
どうしよう。
社長に幽霊の話をされた際、ビジネスマナーとしてどう答えるのが正解なんだ?




