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第10話

 皆さんお元気ですか?


 前回ゴスロリを着(女装)させられて人前に出た男こと私、水無瀬みなせミナトは元気です。


 はい。シオン(本人からの希望で呼び捨てになりました。最初は『シオンお姉ちゃん』でしたが、拒否したらこうなりました。今も虎視眈々とお姉ちゃん枠を狙われてる気がします)から名前を聞かれて急遽決まりました。これが私の名前です。


 とまあ、そんなこんなで文明の利器――電化製品を手に入れた我らがプライベートダンジョン。無事文明開化が起こりました。


 ――――主にサブカル方面の文化に。


 一人称が“オレ”から“私”に変わってるだろ? 


 普段から女装させられて口調もそれっぽくなるよう誘導されてるんだ。勇者と魔王に。最近は何やら私をTS――勇者や魔王に体を貸すのとは別――させようと企んでいる模様。


 あの常識と良識の塊だった勇者はどこに行ったんだろう、と遠い眼で思う今日この頃。今や彼女は毎週日曜の女児アニメは必ず視聴し、バーチャルアイドルと某アイドル系ソシャゲ(どっちも女性の)にもドはまりしてる。魔王は言わずもがなサブカル全般にのめり込んでるよ。


 本当にどうしてこうなった!


 はい、私が布教しときました! 自業自得ですね!


 いや言い訳をさせてほしい。私もまさかここまでハマるとは思わなかったんだ(魔王は除く、あれは絶対こうなる未来が見えてた)。


 でもまさか勇者までこんなダメ人間化するなるなんて……。


 一応、最近また脳内でケンカが増えておりストレスを溜め込んでるせいではないかと思い、その解消のためにシオンが娯楽用にと用意したモノを私を通して見せた。自分自身でもこの世界のアニメとか漫画に興味あったし。


 その結果、魔王がコアを使った遠隔操作できる義体を開発してまで、二人は推し活に夢中となった。


 仲良くなってると思うじゃん?


 実際は、


 勇者「ょぅι゛ょ こそ至高。ただし魔王、お前はダメだ」

 魔王「究極は年上のお姉さんに決まってるのじゃ。ただし勇者、テメーは除く」

 私「やっちまったぜ☆」


 とういうことで微妙に対立してます。主に性癖面で。


 その巻き添えを食らい、なぜか私が女装させられていた。


 将来的には勇者や魔王の肉体アバターにチェンジする≪三位一体スキル≫の術式を解析、自分たちのアバターを流用して完全に新しい独立したアバター、それも理想のロリとお姉さんを私で作る計画も現在進行中らしい。その点に限り、勇者と魔王は全面的な協力関係にあった。


 これはひどい!!


 ちなみに完成予定図を見せてもらったけど、やばいぐらい美少女・美女だったよ。二人の性癖全開のな。


 正体を隠すという当初の目的はどこにいったのやら。本気で隠す気はあるのかとツッコミたい。

 

 まあ以前二人が言ってた魂が引っ張られている影響なのか、私に女装やTSにそこまで抵抗感がない。


 既に何度も経験したというのもあるが、二度目の人生で既に一〇年、前世の半生近くを異性どころか他人である勇者たちと体を共有してきたのだ。もはや自分でも性別の境界線が曖昧になってきたのかもしれない。


 重要なのは私が私であること。


 我思う、ゆえに我あり。まさにそんな心境に辿り着いていた。


『ミナト! 新作のグッズなのじゃ! 余はグッズを所望する、のじゃ!』

『ミナトちゃん! 推しにスパチャするのでお金ください!』


 お前ら……私も新しいゲーム機、欲しいから久しぶりにダンジョンで荒稼ぎしよっか♪


『『『わーい』』』


 あっ、二人にはそろそろ異能都市の学園に通ってもらうから。そっちもよろしく。


『『えっ?』』


 ゲーム本編開始まで、あと四年と少し。

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