プロローグ
僕は25歳証券会社の若手エース(自称)。
死ぬ物狂いで受験戦争で勝ち抜きあの東大に入学した。
上京した当初は何も分からなかったが今はもう慣れた。
そして今、証券会社に入社し毎日頑張っている。
プルルルル...こんな朝方に電話か。
ん!?お母さんからだ、いつも連絡してこないのに
「『吉峰病院です。』ご子息でしょうか?」
「はい、そうですが」
「ただいま、あなたの母親が亡くなりました」
は!?!?母さんが死んだ?
そんなわけない、これは夢だと信じたい。
頭が重くなり、目眩がする、体がアツい、汗が止まらない、声も出ない、
医者がなぜ亡くなったのか説明していたが何を言ってるかもう何も分からない。
僕は母の死を知ってから部屋にこもりただただ泣き続けた
顔がぐしゃぐしゃになって何が何だかわからないまま泣いた
後から知ったが、母の葬儀はもう行われていたらしい。
親戚が日程を教えようとしたが連絡がつかなかったようだ。
これも後から知ったが、会社をクビになった。クビというか退職だ、まぁどっちでも変わらないか
当然のごとく家賃も払っていないため部屋を追い出された。
母のために貯めていた貯金もそこをつき何もかも失ってしまった...
伝えるのが遅くなったが父は僕が3歳のときに亡くなったなぜ死んだのかは知らない
しかし、母の手一つででよくここまで育ててくれたものだ、母には感謝しても仕切れない
だからこそ、母への恩返しのために頑張ってきた、お金を貯めていたのもそのためだ
どれくらい経ったのだろうか涙も枯れて冷静になってきた頃、
親戚の声で母と共に過ごしていた実家に連れ戻された。
ついてからというもの母の遺品整理に取り掛かった。
「これは..」
遺品整理をしていると母の部屋から、
父、母、それと小さい僕の写真を挟んだ亡き父への手紙を見つけた。
写真を見つめていると目頭が熱くなる
ー父さんへー
あなたが原因不明の病で倒れてから少し経ち心の整理がつきました
大丈夫わたしは母です いつまでもクヨクヨしていられない
守るべきあなたとの子供がいる
あなたのぶんもあの子を守り育て、愛を注ぎます
少し心配なのが、家庭の経済面 好きなことやりたいことをさせてあげられるか
そして、もし私が死んだら
あの子の心が挫けてしまったとき 支えてあげる人がいなくなってしまう
いまでもなんでこんなことになったのか恨んでいるし、未来への不安でいっぱいです
どんなことがあってもわたしとあの子を見守っていてください
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クヨクヨしていられない込み上げる涙を拭き誓った
”父さん母さん見守っていてください”
”僕は父さんのぶんも母さんのぶんも頑張って幸せになるんだ!!”
そう思ったやさき
目の前が真っ暗になり僕は死んだ