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クソラノベの世界に転生した俺は原作を破壊する事にした  作者: 雪本 弥生
第5章 ダンジョン演習と逃げられない運命
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第44.5話 幕間 救出作戦

待望の幕間!?今回はここまで長かったから、感無量です!

次回からの本編も、幕間を目指して頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします!!(笑)

―――――――――



溜め息をつきながら私は、教室の扉に手をかける。

中々久しぶりな気もするが、今回ばかりは分かりやすく、教室の外にまで中の怒号が聞こえていた。


「大丈夫だ、きっと助かるから、諦めるな!!」「助けはまだかあ!!」「くそ!テストで毎回満点をとるような、巨乳ツンデレ魔力モンスターみたいな人がここにいれば……!!」


「……私の事を言ってるのだとしたら大分失礼ではあったけど…で、今回はなんなのよ」


私はそんな怒号飛び交う教室の中へ入ろうとすると、目の前に奴らはいた。

シエル、ヘンリにアレク君、あとは……


「……リアラさんはそこで何してるの?」

「あ、あの、私……」

「来た!助けが来たからな!!」「これで安心だからなあ!!」

「あんたら一回黙ってて!?」


私は強引に前に出ようと足を進めるが、その時、教室の床の異変に気付く。

よくよく見てみれば、教室の床のほとんどがつるつるテカテカしている。


「これは……ワックスがけ?」

「そうなんだ。明日から連休だから僕らの班がワックスがけをするように、ってリゼ先生に言われた所までは、シャルロッテさんもいたから分かると思うけど、シャルロッテさんがゴミ捨てでいない間に僕らだけでちゃちゃっと終わらせようとした時……悲劇が、起きてしまったんだ……」


「なぜ私が目を離した数分であなた達は毎度厄介事を起こせるの?あとその口調はめんどくさくなりそうなパターンだから、簡潔に説明しなさい」


これはスライムの液体から採取されるというスライムワックスだ。

この学園でも年に何度かはこうしてワックスがけをしており、今回は私達シエル班がクラスの当番としてやることになっていた。


シエル達がたむろしていたいた場所まで戻り、全員から事情を聞いたところ、どうやらこういう事らしい。


まずリアラさんが教室の窓拭きを願い出て、男三人衆がワックスがけをすると言って、役割分担をした。

男三人衆はモップを手にすると興奮し、誰が一番多くワックスをかける事ができるかの勝負を始める。

せっせと窓を拭いていたリアラさんの存在を忘れていたため、リアラさんが教室のほぼ対角線の位置で孤立する。


「全部あんたらのせいじゃない!?」


「やっちまった事を振り返っても意味ねえだろ!」「誰かがミスしたなら、他の誰かがカバーをする、それがチームだもんね!」「そんな落ち込むなって!」


「それ全部、ミスした誰かを励ます言葉だから!?絶対、100パー犯人のあんたらだけは言っちゃいけないのよ!!」


私は特大のため息をついて、改めてリアラさんの方へ振り返ると、教室の四隅の一角を陣取ったリアラさんは、不安そうにこちらを見つめる。


「……助けるも何も、あなたの浮遊魔法を使えば、一発じゃない」


そう言ってシエルに指さすが、シエルはそんなシャルロッテの言葉を予想していたかのように立ち上がると、不敵な笑い声をあげる。


「ふっふっふ、シャルロッテさん、お忘れかな。ついさっきの授業が体育の時間、しかも学生にとって最もきついとされる、マラソンだったという事を」

「覚えてるわよ。大分日が昇ってたから、かなり暑かったのは覚えてるけど……」

「そう!しかも俺はヘンリ君に挑むという無茶をした結果とてつもなく疲れ果て、とてつもなく汗もかいた!俺はぁ!!女の子に汗臭い男って思われたくないんだぁ!?」

「それを大声で私とリアラさんに言ってる時点で、あんたはもう終わってるのよ!?それにあなたが気にしてても、リアラさんだってそんな気にしないかr…」

「あ、私、汗臭いの嫌です」

「あんたらハッ倒すわよ!?なんでこの期に及んでお互い匂いを気にしてるのよ!」


私は頭に手を当てて、改めて今の現状を見つめてみる。

今ある道具で、何とかリアラさんを救出するしかないのだ。

シエルやヘンリ、アレク達も同じ事を考えていたようで、一通りの道具が集められていた。


「……えーと、子供の頃から使ってたであろう古ぼけたコンパス、三角定規に15センチものさし、あとは使い古された消しゴム、ね。………あんたらほんとにリアラさんを助ける気ある?全部カスみたいな物しかないんだけど」

「いやあ、見た事ない?この15センチものさしにつかまれえ、みたいなシーン!」

「あるかぁ、そんなシーン!?仮にあったとしても、バキってものさしが割れて完結よ」


ヘンリは頭を掻きながら、それらの道具以外の道具を再び探し始める。

私は頭を抱えていると、一つの事に思い至る。


「そういえば、ゴミ出しの時に、紐使わなかった?あれをロープみたいにすれば…」

「確かにシャルロッテさん使ってたよね!」

「あったぞ!!」


今度はシエルが廊下に放り出していた机達の上から、紐を引っ張り出してくる。

私はそれを受け取ると、廊下側の窓枠に紐を括りつけて、思い切り縛る。


「あとはこれをリアラさんに投げ渡して、そっちの方の窓枠にも括り付ける事ができたら、紐の道はできる。これを伝うようにしてこっちまで渡ってきてもらえば……」

「救出作戦成功だ!!」

「さ、さすがシャルロッテさん!!」


皆はもう救出し終わったかのように、手を叩いて喜びあっているが、まだリアラさんの方に紐を渡すこともできていない。

私は丸まっている紐の塊を握り、リアラさんの方へ投げようと、腕を振りかぶるが、その時投げようとしていた所作をアレク君が止める。


「待って、シャルロッテさん。絶対ワックスの所には落としちゃだめだからね」

「わ、分かってるわよ」

「絶対気を付けて投げてよ」

「だから分かってるって……」


そういって、私はリアラさんの方へ向かい、中断された動作を再開する。

が、


「……ほんとくれぐれも…」

「うああああああ!」

「シャルロッテさんんん!?」

「……っぼげええ!?な、なんでえ」


アレク君が投げている途中で声を掛けてくるからつい、勢い余って紐の塊をそのまま真後ろにいたヘンリに投げつけてしまう。


「ちょっと黙ってなさいよ!」

「いや、僕は心配だったから…」


「……仕方ないな、なら俺がシャルロッテさんの代わりに投げてやんよ。俺は何言われても動じないからな」


私は振り返ると、そこには余裕の表情を浮かべたシエルが、紐の塊を手に持って、ここをどくように言ってくる。


「…まあ、誰でもいいけど、絶対落とさないでよ」

「砲丸投げクラス12位の実力見せてやんよ」

「そんなドヤ顔で誇れる成績ではないから」


シエルは決まり顔で、先程まで私が居座っていた所からリアラさんに手を振る。


「ちゃんととってくれよー!」

「は、はい!私も視力では両方5.0なので任せてください!」

「今度は凄すぎる!?あなたはもっと誇りなさい!?」


シエルは腕を回して、とうとう投げる動作に入るが、そこにアレク君が注意をする。


「絶対落とさないでよ。特にくしゃみとかは絶対に、必ず、くれぐれもしないでね」

「分かってるって、それにこんな場面でくしゃみなんて…へっくちゅ!」

「馬鹿ああ!!」


私は叫ぶが、シエルがくしゃみをしながら放ったそれは、奇跡的にきちんとした弧を描き、リアラさんの方へ向かっていく。


「だ、大丈夫です!ちゃんとここまで…へっくちゅん!」

「なんでええ!?」


リアラさんはちゃんと紐の塊をキャッチできる位置にいたのだが、くしゃみのせいで片手を口元へやってしまったがために、それはリアラさんの股を抜け、壁に跳ね返ってワックス地帯へと、コロコロと突入する。

それはなかなか止まることなく、教室の真ん中にまで戻ってきたところでやっと勢いがなくなる。




「……よし、ワックスはかけ直すから、靴のまま来てくれていいよ」

「……ですね」

「いや、今迄の時間はなんだったの!?」


そうして今回もリゼ先生にこっぴどく叱られたのは、言うまでもない。


こうしていつもの放課後は終わっていく。


次回からのお話もお楽しみに!

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