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クソラノベの世界に転生した俺は原作を破壊する事にした  作者: 雪本 弥生
第5章 ダンジョン演習と逃げられない運命
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第43話 全ての戦いの終わり


「シエル君!!飛べ!!」



アレクが声を張り上げているのが分かる。


(そんな無茶いうな、って。こっちは何回魔力が尽きて回復して、を繰り返してると思ってんだよ)


しかし、俺はリアラさんをの足を担ぐ腕に力を込めて、目を瞑る。

ここまで耐える事ができたのは、間違いなくリアラさんのおかげだ。

リアラさんがいなかったら、こんな状況早々に諦めてたかもしれない。


ここまでリアラさんが繋いでくれたものを、俺一人が諦めるわけにはいかない!



「……浮遊魔法……いけんだろ、アレクの所まで、届け!!」


俺は指でアレクを指さし、魔力を込めて詠唱を始める。

しかしそれを許さないのがボスゴブリンだ。

俺の魔力を感じ取り、何か危険を感じたのかもしれない、急いで俺を潰そうとゴブリン達を蹴散らして走って来る。


しかし俺は動じなかった。

信じていたから。



「『水刃』!!」



ヘンリ君の放つ水の刃がボスゴブリンへ一直線にやって来る。

しかしボスゴブリンはそれを読んでいたのか、くるっと後ろへ振り返ると、またしても拳でその攻撃を退ける。

だが今回ばかりはそれで終わらない。


ヘンリ君の攻撃の水しぶきがなくならないうちに、今度は火の玉がボスゴブリンの顔面へやってきて、直撃する。


「時間差『ファイアー』だよ。シエル君の邪魔をするな!」


俺はボスゴブリンが再び地面へ倒される音を聞きながら、飛ぶ。

ヘンリの魔法に合わせて、とっさの判断くせして敵に悟られにくい的確なタイミングで魔法を放ったのか。

まったく、皆やっぱりチートだよ。

いや、そんな奴らとの出会いに恵まれた俺が一番、チートなのかもしれないな。


もはや下のゴブリンが何をしようとしていても何も気にならない。

ただアレクの手が見えればそれでいい。



「……信じてた」


「僕らも同じだよ。でもやっぱり、生きててよかった」



俺はアレクの手をがっちりと掴みながら、アレクの顔を見る。

今にも泣きだしそうなそいつは、片手でロープを握りながら、シャルロッテさんに指示を出す。



「シャルロッテさん、すぐに真上に魔法を撃って、ジャック君達に知らせて。流石に先生たちも集まっていると思うから、引き上げてもらおう」

「…まったく、忙しいったらありゃしないわね」

「頼むよ。あとシエル君、浮遊魔法解除しちゃったら僕の腕がもげるから、しばらく耐えれる?」

「……すぴー、すぴー」

「いや、それ寝たふり…いいい゛い゛!!まじで解除しちゃったよ、この人!!無理無理!マジで二人分を片手って無理だから!」

「……一緒に限界超える気分、味わおうぜ」

「ぐぬあぁあぁあ!!!肩があぁ!僕の肩があぁ!!」

「っていうか解除したら俺の肩にも二人分の負荷…嗚呼ああああ!!」

「この場面で何をいつも通りやってんの!?あんたら!?」



「お、ロープがちょっとずつあがってるぞ!」

「よかった、あっちにこの人数を引き上げられる人数は集まっていたんだね」

「…ちょっとはこっちの心配してくれえええ!!」


アレクは腕に精一杯の力を込めながら喚き散らすが、ロープはゆっくりと引き上げられていく。


やっと終わったんだ。

俺は静かに目を閉じていく。


思えば色んなことがあり過ぎたダンジョン演習だ。

結局ぶっちぎるも何も、演習をクリアすらできてない。

まったく、何をしに来たんだと聞かれてもおかしくないようなダンジョン演習であったが、得た物は確かにあった。


……まあでも今はそんな事より、早く帰ってぐっすり寝たいものだ。



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