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クソラノベの世界に転生した俺は原作を破壊する事にした  作者: 雪本 弥生
第5章 ダンジョン演習と逃げられない運命
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第28話 彼女の決意と俺の決断

今日はまだまだ更新しますよ!

忘れずチェックしてくださいね!


数分前、ダンジョンの分岐の前にて、俺達は腰を下ろして集まる。


「地図に細工って……どうやって?」

「悪い先輩とかが地図の情報を頭に叩き込んで下級生に伝える、みたいなことは今回のダンジョン演習だけじゃなくてテスト全般でもよくある事だろ?」

「……確かに、そういうの見たことある。今回もそれって事?なにか確信があるとか?」

「ここをよく見てくれ。さっきアレクはわざと5人班は遠回りになってるって言ったよな?」



地図を床に敷いて指を指しながらアレクの方へ視線を向ける。



「うん、地図を見る限り、大体そうなってるからね。それに公平の観点から見ても筋は通ってるよ」

「あぁ、通ってる。だからこそ奴らも順路がどうなるか、その予測は事前の予想であっても立てやすかったはずなんだ。そこでここだ。この分岐左に行けば順当に遠回りの道を選ぶことになるが、右へ行けば多くの分岐の集まる空間に繋がる。そして俺達の順路は右。右は左と比べて比較的近道だし、この空間には行き止まりに繋がる分岐がある」

「……確かにそうだけど、私から見たらそんなに違いはないように感じるわ。行き止まりは左の道にもある。他に何か根拠はないの?」


「…いや、他に確信があるかと聞かれたら、ないって答えるしかない。よくできた地図だ。俺だって偽物にすり替えられてるなんて全然思えない位だ。でも昨日の夜ずっと考えてて…これしかあいつらにとっても方法はないんじゃないかと思ってな」


俺は目を瞑りながら、地図の前で腕を組む。


「これしか……なるほど、奴らとしても演習中に妨害を仕掛けるなんて事、色々制約があって難しいはずだわ」

「そう。俺達と戦うことなく妨害するために講じる事の出来る一手、それは地図の細工以外の可能性はほとんど限られている。それは今回の演習が授業という枠にはめられているからだ。……とはいえこの俺の推理が間違っていたら時間のロスを食うと思う。他の手をあっちが打ってたら尚更だ。……だからこの最終判断はリアラさん、君に任せたい」

「わ、私ですか!?」


俺が顔をリアラさんの方に向けると、驚いた顔で肩を震わせる。



「あぁ、俺達より少しだけ奴らを知ってるのはリアラさんだ。率直に、俺の意見を聞いてどう思った?正直俺は自分の予想にまだ自信を持てないんだ。リアラさんの意見を教えてくれ」


班員全員がリアラさんの方を見ると、リアラさんは地図を眺め、やがて顔を上げる。


「………私は、……」







「あなた……読んでいたの?」

「少しそっちの立場になって考えてみただけだよ。時間のない中考えられる可能性というものを全部あたってみた。俺がやったのは君達と全く同じことだ」


俺はフレアさんとイレーナさんに対面し、説明をする。

後ろにはジャック君達が付いてきていて、静かにその話を聞いている。


「…それにジャック君達の存在も大きい」

「……どういうことだ?」

「多分だけど、二人はジャック君達を俺の味方だと思ってたんじゃないか?だから無暗に作戦を明らかにできなかったし、下手な手は打てなくなった。味方の中に相手の目が紛れていると思ったら必然的に慎重な手を選ばざるをえないよな」

「…俺は最初から、お前なんぞに…」

「あくまで客観的な話だよ。客観的に見て毎日昼飯を一緒に食ってる奴なんて間違いなく仲がいい、と思うのが普通だ。それにジャック君も思い当る節はあるだろ?」

「…………」


『驚いた、あなた達はあの男の味方じゃなかったの?』



少し前に聞いたその言葉をジャックは思い出し後悔する。

それはつまり、シエルとジャック、この二人に何の繋がりもない事をきちんと意思疎通できていれば、二人の少女の作戦は成功していたかもしれないという事なのだ。


「……何私達が負けた前提で話を進めてるのよ。はなから作戦だけを頼りになんてしてない。見たところ、ヘンリ君とシャルロッテさん、あと……誰だっけ?」

「アレックスとか言った奴だよ。つまり3人はこの行き止まりの中に入っていったってことになる。リスクの分散なんだろうけど、まさかあなた達二人で私達に勝てるとでも思ってるの?」

「……思ってるよ、思ってるから、ここにいるんだよ」

「は?まさか魔法のコントロールしか取り柄のないリアラさんが私達を?笑わせないでよ」

「あんたみたいな奴が私達に何ができるっていうのよ」



「……いい加減…いい加減、私を下に見るのはやめてよ!!私は、フレアさんにも、イレーナさんにも、勝ちます!!絶対、負けない、から!」


「「「…………」」」



二人に向かって、顔を俯く事も、一歩引き下がる事もせず、まっすぐ睨むリアラさんの姿を見て、俺はゆっくり目を閉じる。

思い出すのは、先程のやり取りだ。






「……なんでか分からないけど、二人は、やってない、って思いたい自分がいます。…それは多分、あの時食堂でシエルさんが妨害はなしって、あの人達に言ってたから、それだけじゃないんだと思います。……きっと正面から戦って、あの二人に、勝ちたいって思ったから…」

「「「…………」」」

「……それじゃあ、リアラさんはどうしたい?」

「…地図を細工されている可能性は、高いと思います。でも、でも、私は…嫌です。こんな感じのまま終わるの、嫌です」

「………そうか、分かった。ならそれを踏まえて、何か意見あるか?」


地図を眺めながら力強く意見を言うリアラさんを見てから、俺は改めて班の皆を見渡す。

その全員が、リアラさんの言葉を聞いて、その目に真剣みを帯びていた。



「…班を分ける、僕はこれでいいと思うんだ。片方がこの地図の順路通り進む。そしてもう片方があの二人をこの分岐にて待つ」

「…リスク管理ね。問題は分け方だけど…」

「それならアレク、ヘンリ、シャルロッテさんのグループと俺、リアラさんで分けた方がいいと思う」


「…確かにそれならもし地図が合っていてもシエル君の浮遊魔法で追いつける。細工されていたとしても、荷物を持っているリアラさんが分岐で留まっていれば荷物を持たない僕らは急いで戻る事はできる。…問題は…」

「お前らがフレアとイレーナに勝てるのか、だな。もしも地図が細工されてたら、素直に本当の地図を渡してくれるような性格じゃねえだろ」


俺はヘンリ君の言葉を聞いてリアラさんの方を向く。

皆の意見に耳を傾けるその顔はなにかを決意したような、今までになかったような自信が、今のリアラさんにはあった。

俺は少し微笑んで、地図を丸める。


「よし、とりあえず、これで行こう!!失敗したとしても、今度こそ俺の本気の土下座を見せてやりゃいいだけだ。前回はさせてもらえなかったしな」

「土下座したかったの!?」

「す、すいません、私があの時止めちゃって…」

「リアラさん、本気にしないの」

「シエル、俺一回先生にしたことあるぞ」

「なんの自慢!?」


「ははは!じゃ、皆それぞれ、検討を祈る!」



俺は少し笑みを浮かべながら目を開く。

うん、やっぱり大丈夫だ。

リアラさんは、弱くなんてない。






「……なら決闘、しないか?」

「決闘?」



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