第11話 ざまぁされし者
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「それで、何の要件じゃ?」
「ルーベルトさん、あなた、仮にも、この学園の雇われですよね?」
「あぁ、正式に、この学園の雇われじゃ」
俺は学園の寮の自室にて、なぜか最近毎日トランプをしに俺の部屋に入り浸ってきてる寮長ルーベルトさんへ正座のまま続ける。
「…俺に、魔法を教えてください!」
「は?魔法なんぞ、ワシより生徒であるお前の方がうまいじゃろ」
「……見ててください」
俺は目を瞑って、浮遊魔法を発動させる。
ふわりと体が浮かぶ感覚と一緒に、神経を集中して少しだけ前に…
「な!それは浮遊……っ危なっ!」
「と、止めて!」
俺の体はまるでピンボールのように部屋の中の壁に激突しながら動き回る。
俺がルーベルトさんに抱えられて体が止まった頃には、俺の部屋は惨状と呼べる状態に仕上がっていた。
「………最近どこかの部屋がうるさいという苦情が届いていたが……お前かあ!!」
「仕方なかったんだ!俺だって、こんな事……やりたくなかった!」
「カッコよく言っても無駄じゃ!出てけ――――!」
「……とまあ、こんな事があってな。無事ルーベルトさんに魔法を教えて貰えるようになったよ」
「…その流れでよく教えて貰えるようになったね…」
「あの人昔はここで教鞭もとってたらしい。ビシバシ教えて貰ってるから、今度の実技は見てな」
「……今度の実技は分かったけど、今の実技は?」
「……………休んでいいかな」
「多分駄目だね」
この学園に入学し、はや一週間が経とうとしていた。
魔法学の授業は、実技と筆記を一週間ごとに織り交ぜて実施しており、今週は実技の週だ。
この間初めて魔法を使ったような赤ん坊が参加していい授業ではないと思うのだが、リゼ先生はサボりの類には原作の頃から厳しかった記憶がある。
俺はアレクとのストレッチを早々に終わらせると、リゼ先生は皆の前で声を張る。
「それじゃあ、皆魔法の基本はできるだろうから、とりあえず二人組を組んでください」
「……仕方ないか、アレク…は面白くないからシャルロッテさん、組まない?」
「なんか最近シエル君の僕への扱いがどんどん雑になってる気がする…」
「いやよ、あなたと組んでもいい事なさそうだし」
「なっ……」
「アレク、組みましょ」
「……え?」
そうすると、シャルロッテさんは早々にアレクとペアを組んでしまう。
去り際のアレクの無自覚ざまあ顔に思わず泥団子を投げつけたい衝動に駆られたが、そんなものは当然ないので、腹の中へおさめる。
(今日の夜、3・3・7拍子のリズムで延々にアレクの方の部屋の壁叩いてやる!)
そんなちっぽけな復讐劇を考えていたが、そんな暇はない。
他に誰か知り合いは…
「ジャック君!お互い一緒に学食に通う者同士、組もうよ!」
「嫌に決まってんだろ!それにお前は俺におかず一個奢ってもらうだけだろ!」
ジャック君は結局あの日、俺が反則じみた勝ち方をしたにも関わらず、自分の負けを認めて約束通り学食のおかずを毎日俺に奢ってくれている。
どうやら金持ちの息子らしいのだが、こちらとしても申し訳がなかったので一年を半年に短縮することで合意した。
ケチと思われる方もいるかもしれないが、こちらとしても相応のリスクをとっての勝利なので、これくらい許してほしい。
だが、それ以来ジャック君とその取り巻き君たちとは友好的な関係を築いていた。
「そんなこと言うなよ。俺達シャルロッテ親衛隊の1号と、そっち2号だろ?」
「はあ?!俺が1号に決まってんだろ!」
「いや、1号は俺に決まってるだろ!?」
「どういう喧嘩?」
取り巻きの一人が呆れたように呟くと、ジャック君はいそいそとそいつとペアを組み、俺の方はいよいよ本格的に焦り出す。
(な、幼稚園の時コミュ力の塊とまで言われたこの俺が、ぼっち?まさか先生とペアワークをやる羽目に…いや、よく考えたらそれもそれでいいかもしれない。あのロリ先生と、あんなことやこんなこと…)
と、頭が変な方向へ向かい出していたその時、一人の救世主が再び、俺の前に現れた。
「お、シエル余ってるなら組む?」
「…ヘンリ君、俺、今の君にならいくらでも金貸せる」
「どういう返答!?」
こうして、魔法実技の授業は始まった。




