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76話 異世界

「その後も何年かに一度ブチキレしてやらかす事があってさあ。そうそう妹ちゃん!それで暴れん坊ガールて地元で恐れられたのよ!ダセー二つ名つけやがって!許さねーぞ姉ちゃん!」


名付け親はウチの姉ちゃんなのだ。

あの人はまったくもー!

…冒険者になってから?

冒険者になってからも何度かやらかしてるね。

アタシはソロで活動してたから組合にはバレてないけど。

キレて貴族のペットの下級ドラゴンをなぜか貴族ごと拷問してからぶっ殺したり。

キレて最低な上位冒険者パーティーをなぜか拷問してからぶっ殺したり。

キレて人間のクズの暗黒騎士たちをなぜか拷問してからぶっ殺したり。

…なんでいちいち拷問するのか?

いや…アタシに聞かれても…。

その時のノリとしか…。

しかし組合にバレたらヤバかったぜ。

悪いのはアイツらだけどアタシ下級冒険者だからさあ。

たぶんお尋ね者にされてただろうねえ。

こわいこわい。

まあでもアタシは文字通りの冒険者だったからね。

同じ所には2週間もいないから、事件化した時にはもういないのだ!

あーはっはっは!ざまあ!


「しかしよくこのメンツにアタシ勝てたな。当時のアタシじゃあとても敵う相手に思えないが…。摩訶不思議である。いやー、ホントよく生きてたよ。しみじみ。え?別に不思議じゃない?どういう事?」


アタシの潜在能力なら不可能じゃない?

ど、どういう事よ…。

誰かと間違えてない?アタシだよ?


「…このダンジョンに召喚される時点で飛び抜けた才能がある!?ええ!?そうなの!?初耳なんだけど!?ちょっと詳しく教えてよ!肝臓さーん!」


なんでもこの大魔界ダンジョンはいろんな世界の強いヤツや才能あるヤツを1人ずつダンジョンに召喚しているらしい。

1人?1人しかいないの?今このダンジョンにいるのアタシだけ?

ほーそうなんだあ。

なんだか寂しいねえ。

もっといっぱい拉致されてんのかと思ったのに。

ふむふむ、召喚されたヤツが死ぬと次のヤツが召喚されるのね。

へー、アタシの前に召喚された人は一層でやられちゃったのかあ。

かわいそうに…。

…ええ!?最高記録は9層まで!?嘘でしょ!?100層まであんだけどこのクソダンジョン!

聞いてねえよ!ふざけんじゃねえ!クソ!クソ!クソ!ちくしょー!あー!もう終わりだよー!

…はあ。

知らなきゃよかった…。


「…ん?このいろんな世界って何よ?へー異世界なんてもんがあんのかあ。なんだか不思議な話だねこことは違う世界なんて。」


ちなみに9層まで突破して10層で殺されたのが異世界の超魔王ダンテさんらしい。

はー、超魔王て凄いね…。

どんだけ強かったのか想像もできないよ。

その化け物でも突破できない10層も想像できないよ…。


「しかし異世界かあ。どんな人が暮らしてんのかねえ。一度見てみたいよ。え?アタシたぶん会った事ある?嘘でしょ!?一体どこで!?」


ええ…そんな面白そうな人に会ったけなあ?















 



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