75話 ケーキ
「なんか甘い物食べたいねえ。おばあちゃん、妹ちゃん一緒に作ろうぜー。なんにしょっかなー。」
そうだケーキ作ろう!
チーズの代用品を作れるなら生クリームの代用品も作れるよね?
ふむふむ、やっぱ出来るのね。
よっしゃ決まりー!ショートケーキ作ろう!
…チーズケーキも?
いいじゃん!いいじゃん!作ろう、作ろう!
作業開始だよ!
作業終了ー!
「うひー!うまそー!しかしホール2個は罪悪感パねえ…。大丈夫と分かっていても躊躇しちゃうぜ…。まあ食べますけどね!」
そんじゃあ、いただきまーす!
まずは大好きなショートケーキから…!
パク!…うひゃー!
な、なんなのこのショートケーキは!
この生クリームもどき!食感はフワフワでなぜかプリンプリンしとる!味は濃厚なめらか!
これぞ究極の生クリーム!
スポンジもスゲえ!こっちもふわんふわんしてる!食感もパサパサでもなく、しっとりしすぎるでもなく絶妙!
これぞ至高のスポンジ!
卵も牛乳も使ってないのにこの超絶技法…。
エッグ&ミルク使ったらどうなっちゃうんだコレ?
恐ろしい…!
あ、イチゴはちょー美味しかったよ。
よく食べてるから特にリアクションはないのだ。
「ひえー、おいしーよー。さーて…このチーズケーキはっと…。びぎゃー!これは犯罪だぜ、おばあちゃん!アタシのケーキランキングの順位が入れ替わっちまった…。」
数十分後
「あー美味しかった!ケーキはもちろんだけど紅茶も美味しかったね!緑茶派だけど揺らぎそうだったよ。ケーキと相性抜群だなコイツめ!さてそんじゃあ続きを始めますか。9匹からでおねがい…ん?なによ?話?」
なによ話って?
…げ!お説教じゃん!
しょーがないでしょ!さっきのは!
…もうああいう事はしないように?
うーん…。
「心配してくれるのは嬉しいけどさあ多分無理だよ。アタシたまにプチっとキレちゃうタイプだから。ホントホント!格好つけてないよ!昔からなの!もー!」
格好つけるってなんだ!
失礼しちゃうね!
ぷんすこ!
キレてやらかした事は何度かあるのだ。
最初は10歳のとき。
隣の村が50人くらいの規模の賊に襲われてさあ。
結構な数殺されちゃって、可愛がってくれたお姉さんたちや一緒に遊んだ女の子たちは攫われちゃって。
それ聞いてプチっとキレちゃって家飛び出して賊のアジトに突撃した事あんのよ。
嘘じゃないっつーの!そっちはドン引きすんな!
それから?
見張りのヤツらブチ殺しながら中に進んだら、お姉さんたちやアタシの友達に最悪な事してるじゃん。
あれはホントにブチキレたね。
ほとんどあの時のこと記憶ないもん。
みんなの話だととにかく暴れまくったらしい。
気付いたらボロボロだったけど賊ども全員ブチのめしてたよ。
なんか冒険者崩れも何人かいたらしいけど、なぜか倒してるし。
不思議だよねえ。




