52話 ワイン
「えーと、ワインのつくり方は…。ふむふむ。潰して、発酵、圧搾、樽熟成、澱引き、濾過でワインになるのね。白ワインは皮と種を除いて潰しと圧搾を逆ね。そんな難しくないね。簡単、簡単…。いや簡単じゃねえよ。」
これを簡単に感じるとは…。アタシ調教されてるなあ。こえー。
さーて、まずは葡萄選びだね。
出来るコンビが選んでよ。葡萄変えて赤と白5本ずつくらい作ろうよ。
おお!あの出来るコンビがキャキャしてる!珍しいー!かわいいー!
ひっひっひ、照れない、照れない。さあ好きなの選んでくだせえ!
「ふむ、赤用も白用も聞いたことない品種だねえ。ほうほう、へー、やっぱり幻のやつかあ。幻ばっかり使ってるからもう幻感がねえなあ。」
アタシにとっては一般果物と変わらんなもはや。悪いね幻のヤツ。
ん、なに?ほー、白2つはスパークリング用なのね。炭酸ワインたあセレブだねえ。アタシ飲んだことないよ。
そんじゃあ始めますか。目標は一種10樽。トータルで100樽だよ。
ちゃっちゃといくぜ!
一時間後
「仕事が早すぎるぜアタシ。どうよ出来るコンビ。へへへ、お褒めの言葉をいただきました!やったね!」
出来るコンビに喜んでもらって嬉しいね。少しは恩が返せたかな?
しかし壮観だねえ。樽いっぱいだよ。
樽もこだわったからねえ。ウイスキーとはまた違う魔力の高い木からつくった魔樽だよ。
しかし全種類樽を変えるとは思わなかった。こだわりすぎだよ、おばあちゃん。
…うーん、でも100樽は多すぎたかも。いつものボトルに入れると何本分なのかね?
「え、1樽で約300本!?つーことは30000本分!?つくりすぎだよ!アホかアタシは!またやっちまったよ!」
ウイスキーならまだしもワインこんなにいらねーよ。米酒もいっぱいあるし。はー、またやっちまったぜ…。
まあしゃーないか。ほんでどんくらい寝かすの?100年くらい飛ばしちゃう?
「ふむふむ、樽で寝かすんじゃなくてボトルで寝かすのね。ウイスキーとは違うのか。そういえばボトルがいっぱい並んでるの見たことあるなあ。え、あとワインは別に寝かせない?そうなの?」
何十年前のワインとかあるけど?どうゆう事なの?
ほうほう、へー、何年につくったワインって事かー。そういう事なのね。
熟成してるんじゃなくて保存してたのかあ。
え?でも瓶内熟成はあるの?飲み頃がワインによって違う?コルクで…多いよ!難しいな!
はー、結構めんどーだなあ。全然知らなかったよ。ウイスキーには詳しいんだけどねえ。アタシはウイスキーを愛しているのだ。
「じゃあとりあえずボトルに入れますか。え、この赤はすこし樽で寝かすの?じゃあ水魔法さんと植物魔法さんお願い。こっちの赤はさっさと出すのね。で、こっちの白のスパークリング用はボトルで…」
はー、忙しいねえ。やっぱ10種類は多すぎたよ。
それでボトルに移したらそれぞれ飲み頃まで瓶内熟成ね。え、飲むときにすればいいからそのままでいいの?はいはい。それでコレが…。
はー大変、大変。
数十分後
「出来たー。30000本はヤべー。多かったよ…。ところで保存は大丈夫かね?へー、次元魔法様でバッチリかあ。やっぱパねえな次元パイセンは。さあ出来るコンビ。何から飲みますかー。」
この一番重厚な赤ワインからかあ。赤は渋くて苦手なんだよあ。白の方が飲みやすいよね。
ぐびー。
「…!?な、なんなのこれは…。ええ?ごくー。ひ、ひいい~、うますぎる…。これはもう神さまの飲み物だよ…。」
ウイスキー一筋なのにぐらつきそう。ヤバいよこれは。
ぐびり。
はー…。しあわせ…。
アタシがバカだったよ。世界中で愛されるのも納得だわ。
「出来るコンビも感動してるねえ。あとお母さんも。お母さんはいつもリアクションがデカくて作りがいがあるね。バカにしてないって!怒んない、怒んない。さあ次は白いこう!」
10種類もあるからねえ。今日はドンチャン騒ぎじゃ!
楽しもうね!




