50話 兵器の王
そんであと何つくればいいの?
ふむふむ、両刃の大剣と長剣を一本ずつ。あと中剣、短剣を2本ずつね。
多いな!休みなしだよ!もー!
あ、小太刀もつくっていい?
いいの、やったー!やっぱ小太刀もなきゃね!
2本つくって二刀流で遊ぼう。
ほんじゃあ気合入れてつくりますか!やー!やー!やー!
一時間後
慣れちゃったからすぐ出来ちゃったよ。
アタシは仕事が早すぎるぜ。優秀すぎてすまんね。
しかし凄いねこれは…。
「はー圧巻だね…。こんな凄い武器が8本も並んでると。アタシはまた世界を驚愕させるモノをつくってしまった…。しかしこんなに武器いるかね?やっぱ多くない?」
こんなに使うか?いや使わない!
無駄につくりだよみんな。資源は大切にね。
アタシはエコな美少女なのだ。
「え、何よお姉ちゃん。どうよ調子戻った?ほー、覚悟を決めたらしいよ。つーかそんなモンをアタシに食べさせるなよ!まったく!で、なによ?ほうほう、げー!ホントに全部使うのかあ…。」
マジで…。ちょー嫌だなあ。
しかしこんなデカイ剣とか長い剣どこで使うのよ。
槍とか斧でよくない?
全部剣じゃなくてもいいじゃん。
適材適所って言葉があるんだよ、お姉ちゃん。知ってる?ふふふ…。
ギャー!生意気なこと言ってんじゃないわよってキレられたよ!
すっかり調子が戻っとる!こえー。
「ひいいー、で、でもホントに槍でよくない?え、槍はそもそも取らない?なぜ?兵器の王だよ。アタシがいつも世話になってた武器なのに。絶対取ると思ってたんだけど。」
老若男女問わず誰もが最強だと認める槍を取らないとはいったい…。
ふむふむ、まずポイントに余裕がないから。それはまあ分かるけどね。
ええ!?そもそも槍いらない!?ここじゃ力不足!?嘘でしょ!?なぜ!?
「同じ長さの剣の方が最終的には強い?嘘だー。うちら冒険者は半分以上は槍愛用してたよ。大剣、長剣なんてバカにされてる格好つけ野郎しか持ってなかったけど。マジでバカにされてたなアイツら。かわいそうに。」
まあ率先してバカにしてたのはアタシですけどね。
え、超上級や特級冒険者に槍使いはほとんどいないの?
みんな大剣、長剣に鞍替えするの?マジで?
…あれ、確かに見たことないなあ。そういえば超強い近接の人はみんな大きい剣と重そうな鎧だったわ。
あのオッサンたちお揃いじゃん、ちょー仲良いね、ププーってバカにしてたけどそういう事だったのね。
「まさかあの槍がねえ。信じられんなあ…。ふむふむ、超強い人は超強力なオーラを長時間使えるから、同じリーチなら攻撃出来る所が多くて重くてデカイ剣を使うのかあ。はー、なるほどねえ。」
まさか槍が力不足と言われるとは…。
槍と弓と短剣は絶対取ると思っていたからビックリだよ。
え、弓もいらないの?魔法で十分?
そんな…。
「アタシの愛用していた武器が2つ戦力外になっちゃったよ…。はあ。残ったのは刀と短剣だけかあ。え、刀もほんとはいらない?えー!これはダメ!アタシの相棒なの!」
ずっと一緒に苦楽を共にしてきた相棒なのだ。こいつは譲れないぜ!
じゃあ刀と脇差は自主トレして頑張りなさいと言われたよ。
冷たい…。
いいよ!いいよ!アタシが頑張って刀ちゃんを輝かせて見せるよ!見てろよー!
「くそー。そんで何からトレーニングするの?ほうほう、大剣からかあ。こいつがメインウェポンなのね。デカくて邪魔だなあ。」
マジで邪魔だなあ。
次元魔法がなかったら捨てていってるとこだね。
さーて、めんどーだけど晩御飯までいっちょやりますか!
しっかりついてこいよ大剣!使えなかったらホントに捨ててくかんな!




