44話 後半戦
「うん。どうよお姉ちゃん、お母さん。おお!オッケーが出た。やったね」
30分もかからなかったぜ。体さんのおかげで楽できたよ。
‥いや、地獄のトレーニングのおかげだな。じゃあ何も楽じゃなかった。
「さてじゃあ再開しますか。おびき寄せようぜ」
いつも通り桃で拉致するぜ。
おら、桃だぞー。こいこい…。
はええ!もう来たよ!
大丈夫かコイツら…。あんたら監禁されてるんだよ?
「心配になるな‥。バカな奴らだよ‥。まあいい、おーし、ぶち殺すかあ!おら!食ってねえでこっち向けや!」
頭引っ叩いてやったぜ。
ビックリして後ろに下がったね。
犬みたいなポーズで警戒しとる。
…いや、飛べや!
なんでこんな時だけ陸戦なんだよ!ずっと飛んで戦ってただろお前ら!
「腹立つなあこいつ…!げ、犬ポーズのまま魔法使ってきた!嫌がらせにもほどがある!」
ひょいっとかわして横に回り込むよ。
もういっちょう頭引っ叩こう!
飛べや!おら!
お、飛ながら下がった!よしよし。
げ!ち、着陸してまた犬ポーズになったー!
なんなのコイツ!
ぎゃー!犬みたいに噛みついてきた!
あんた前世は犬だったの?
「いい加減にしろっつーの!どらあ!おら、ひっくり返ってないでさっさと飛びな!」
顎に蹴り食らわしてやったよ!
はよ飛べや!
…ん?おお!やっと飛んだよ!
陸戦は不利とやっと分かったようだね。
こんなバカな子はじめてだよ…。
「しかしあんま効いてないなあ。いい蹴りだったのに。やっぱ体重くしないと攻撃軽いわ。こりゃ数打ってかないとね」
そうと決まればさっさと殺りますか。
空中から針を連続で飛ばしてくる蜂のななめ前に移動するよ。
ひょいっとな。
「おら!もういっぱつ顎蹴り!」
顎に回し蹴りがヒット!今のはカッコよく出来たね!
畳みかけるように、足の間に拳と蹴りのコンビネーションをぶち込むよ!
おら!どら!でりゃ!だあ!やー!やー!やー!
なんか、やーが最近お気に入り。
町のスポーツ大会でおばちゃんたちが言ってたのがツボに入ってしまったのだ。
おもろかわいかったね。
アタシの10連擊で地面に叩き落としたぜ!
そこそこ効いてるなあ。
けどまだまだ元気だね。まあ軽いからしゃーない。
しかし空中に足場があるとつえー!すげー!
これで体重コントロールがあったらすぐ終わるわ。
それじゃあ修行になんないか。封印もやむなし。
「まーた犬ポーズで魔法だよ…。もうコイツは浮いてなくても倒すよ。いいよねお姉ちゃん。よし!オッケーがでた!お姉ちゃんもうんざりだったみたい」
サンドバッグにすること数分。
無事倒したよ。ほぼ飛ばなかったね。
コイツ…。
とりあえず100発はいかなかったわ。思ったより少なかったよ。
よかった、よかった。
前半戦の25匹でどこがよく効くか分かってたのが大きいね。
さあ、テンポを上げてノルマこなしますか!




