27話 米
みんな、おっはー!
昨日はチョー楽しかったね!
服がいっぱいできてチョーしあわせ!
今日はこのチョイスでいくぜ!
はー、可愛すぎアタシ!
「ふんふーん!さあ朝ごはんは何にしよーかなー!そこの超巨大イモムシいっちゃう?クリーミーで美味いんだよなあ、アイツ!」
塩胡椒たっぷりかけると、甘じょっぱくて最高なんだよね。
え?植物魔法?
ああ、そうか植物魔法さんがあるじゃん。
米食べたい、米!うちは米農家だったのだ。
「さーて、どの米にしよーかなあ。幻とか伝説の米ないの?さすがにないか‥。‥え?あ、あった!?幻で伝説の米!そのまんまじゃん‥」
幻すぎてまだ発見されてなくって名前がないらしい。
かわいそうに。しゃーない、アタシが名付け親になってあげようじゃない!
うーむそうねえ‥うーん‥。
‥よし!アンタの名前はマボデン米よ!
幻で伝説な感じを出してみた。
ヤベーさすがアタシ!センスの塊しょ!
「お!植物一覧の名前がマボデン米になった。よかったなー!泣いて喜んでんじゃないのコイツ!あーはっはっは!」
いいことしたぜ!
ほんでマボデン情報はっと‥。
ふむふむ、うわあ‥こりゃあ幻のわけだわ。
「魔素がチョー濃い所でしか育たない、水の温度は常に一定、365日間ずっと快晴。これが絶対厳守。無理に決まってるわ!こんな米育てられるか!米農家なめんなマボデン!」
これじゃあ幻のはずだわ。
つーかどうやって存在してたんだコイツ?謎である。
ほんで味はどうなのかねえ。
おーマジ?ぶっちぎりで世界一美味い米!
言うねえ!こりゃあ心して食べないとね!
「水田にしなくていいの?畑でいいのか‥。狂ってるなあ植物魔法さん。ほんならお母さん、おねがいしゃーす!」
一瞬で畑に米が出来たよ。
なんだこの光景は‥。
しかし、はー‥。すごい綺麗だねこのお米。
こんな綺麗な稲穂見たことないよ。
ほんとに黄金色だ。
さて収穫を‥あ!
「米炊くもんがねえじゃん!やべー、どうしょう。いくら米農家の次女であるアタシでもこれでは‥」
詰んだー。
こんな綺麗お米目の前にしてなんたる不覚‥。
やっぱあのイモムシ食うか。
あのヤロー美味しそうにクネクネしやがって!
アタシを誘ってやがる!
え、何よお母さん。
別にイモムシでもいいよ。
むしろ食いたい‥え?鍋作るの?なんかダンジョン攻略じゃなくて物作りになっとる。




