21話 火魔法
「興奮して早く目が覚めちゃった。はー楽しみだなあ!憧れの火魔法を使える日が来たのかあ。うひょー!超嬉しい!」
それでお母さん!どんくらいレベル上げていいの?
やっぱりレベルMAX?一撃で倒さなきゃいけないもんね!
アタシ分かってる!分かってるよ!
よっしゃあ、じゃあ一気に‥。え?レベル50?
「ええー!?レベル50!?それじゃ一撃であの化け物倒せるわけないじゃん!ちゃんとMAXまで上げよーよ!え?蜂を倒すためじゃあないの?じゃあなんのために上げんのよ。」
はあ?虫?あの虫どもの事?ど、どういう事なの?
え?お姉ちゃん、うんうん‥、
エエエエエ!?あれを食べろっつうの!?無理!無理!無理!食えるわけないじゃん!
見なさいよあの真っ黒な甲殻を!鉄なんてレベルじゃないよ!もう黒騎士じゃん!
え?中身を食べるから問題ない?
そういうことじゃねえよ!気持ち悪りいんだよ!
みんなにアタシの気持ちは分からないんだ!
「ヤバい毒持ってるけど焼くとすごい美味しいらしい?何言ってんだこの人‥。なおさら食えるか!え?状態異常耐性?あれを上げたから勧めてきたの?とんでもない事になったよ‥」
何でこんな事に‥。おのれえええ!状態異常耐性!ゆるさんぞううう!
‥はあ、それでなんで火魔法レベル50なの?
焼くだけならアタシの出せる魔法の火でも十分だと思うけど。
ほんほん、ちょっと火を起こすだけでも見つかる危険があるからか。
へー、火魔法レベル50なら火を起こさず一瞬で美味しく焼けるヤツがあるんだあ。
ふーん。まあ凄いけどさあ‥。
「はあ‥。気が乗らねえなあ‥。やだなあ‥。‥。‥おおっし!やるか!せっかくお母さんたちが勧めてくれたんだ。信じないでどうするアタシ!能力入手さん、火魔法レベル50!‥うう、こんな形で憧れの魔法を手に入れるとは‥」
よし!女は度胸!
さあまずはどの虫を殺ればいいの!
あの甲殻類か‥。きめー。
で、どうやって仕留めるの?素手?魔法?
え!火魔法!?いいの!目立たない?
‥ほうほう、コレを使うの?
へー、凄いなコレ。
名前は弱そうだけど触るだけで中までこんがり調理かよ。
触ったら姐さん意味ねーからミスしないようにしないと。
騒がれて蜂に見つかったらおしめえだかんな!
「コソコソ、おら!くらえ!レベル50火接触加熱!‥これ殺った?つんつん。おー凄え。マジか‥。こええー魔法だなあ。」
こんなの持ってる敵の魔法使いがいたらと思うと恐ろしいね。
ちょっと触られただけで即死だもんなあ。
‥じゃあ食べるか‥。うん‥タベル‥。タベマスヨ‥。




