12話 大勇者
「ほー、いっぱいあるんだなぁ。気配隠密に魔力探知‥。幽霊みたいな奴を探す時は魔力探知を使うのかな?え?精神探知なの?でも相手がレベルが上の精神隠密を持ってたら見つからないのか‥。面倒くせえな!」
1つ上げるのも地獄なのに種類が多すぎるわ!
うちの出来るコンビを見習えよ!
しかしこれを全種類レベル50以上にしたという変態はいったい‥。
狂気を感じるね。
「この変態はいったい何者なのか‥。え?狩人のピックルさん?ピックル?何か聞いたことあるなあ?‥伝説の大勇者、弓神ピックルじゃねえか!人間どころかエルフ達すら崇める伝説の偉人じゃん!」
伝説の大勇者、弓神ピックル。
ただの狩人だった彼が歴史の表舞台に立ったのは40歳を過ぎてかららしい。
当時西の大陸で暴れまわっていた魔王ギルガーと幹部たちを皆殺しにしたのだ。
狩人の皮をかぶった魔人か何かなのこの人?
自分の狩り場を汚したので腹が立って皆殺しにしたと本人は供述しており反省はまったくしていないとの事。
やっぱり狂気を感じる!
その力を求めた多くの国々に懇願され嫌だったが、渋々勇者になったらしい。
なんなのこの人‥。
彼は仲間を作らず1人で多くの魔王や魔神を倒したらしいけど、隠密&探知があったからかぁ。
仲間がいたら隠れられないもんね。
その後西の大魔王に殺されたけど、今でも尊敬される大英雄だ。
真実を知った今は尊敬よりも恐怖を感じるよ!
「ピックルさんならこの極悪蜂一家も1人で倒せるかもしれんなあ。え?無理なの?なんで?人類最強の変態じゃん。」
ほうほう、隠れながら一対一で不意打ちできたとしても、水の攻撃魔法レベル70以上じゃないと一撃で倒せず仲間を呼ばれてリンチに‥。
忘れてたけど大弱点のおかげで一撃で倒せているんだよなぁ。
こいつら身体能力化け物だし。
ちなみにレベル70未満の水魔法には耐性があるという悪意の塊!
こいつらを一撃で倒せる何か別の強力な攻撃があっても数が減ってきたら自らパトロールする女王蜂に見つかってリンチに‥。
なんなのこの蜂‥。
もう大魔王じゃん‥。
大魔王がパトロールすんなよ!
「なんでこんな大魔王に下っ端冒険者のアタシが挑まなければならないのか‥。ん?お母さん?そろそろ寝なさい?とうとうこの時が‥。こええ‥!」
嫌だなぁ。
でも下手すると1カ月くらいこの第1層にいなきゃいけないし寝るしかないか‥。
隠密さん、お母さん、おばあちゃん!信じてるからね!おやすみ!




