異妖“縁切り”
「あ゛〜、っ……かれた〜」
ベッドにダイブする。今日も中々にハードな一日だった。
「オタ活と詩音たちと遊ぶためとはいえ、バイトちょっと入れ過ぎた」
親元――発生源は判っている。しかし、その親が姿を見せない。故に縁を切って欲しいという願いから生じた呪詛体――異妖を人海戦術で退治していくしかない。
発生源となっている縁結び神社に偵察に赴けば、そこは数多の人の呪詛に因って反転し今や呪海――異界と成り果てていた。
――あんな場所に居れば、関係なくても身体に悪影響が出るに決まってんじゃん。
最初、わたしたちの話を宮司さんや働いている人たちは信じてはいなかった。さらに無関係な家族にも呪詛の影響が出始めていると伝えてみた。
しかし彼らは信じようとしなかったので見鬼の呪いを施して視認できるようにしてあげた。
――吐いて、昏倒して、悪夢に魘されて高熱出して臥せってしまったのは、わたしのせいじゃない。わたしは悪くないよね。
宮司さんは一度目が覚め、助けてくれとわたしたちに依頼を出した。
神社には人払いの結界を張り巡らせた。神社内で何が起ころうとも、何を起こそうとも馬鹿な野次馬や動画撮影者はやって来ない。
――何体退治したっけ〜?
眠くて思考能力が落ちてくる。
――取り敢えず……軍資金も……たまったし……バイトは――
止めよう。
意識が眠りに引っ張られるように落ちた。




