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DAYS1ー休息ー

「作画が古いっていうか、そもそも原作通りに描けていないのが問題なのよ」


「漫画化でも原作には程遠いのあるしねー」


 わたしは今、詩音の部屋で彼女と二人、昨夜のアニメの録画を視聴している。


「作画で面白いかどうか判るアニメってあるわよね」


「今、観てるのがそれなんだけどね」


「面白かったら喋っていないわよ」


「なんだろーね。戦闘シーンは命の奪い合いなのに子供のチャンバラごっこよりも酷い」


「きっと一枚絵は凄い上手とか才能があるって言われた人の作画かも知れないわね」


「一枚絵は描けるけど、ストーリーの流れの中での動作が書けないとかっていうやつ?」


「躍動感がないのよ。紙芝居アニメの典型ね」


「原作遵守のアニメ化が見たい訳で、アニメ化を担当した監督の“俺(私)が考えた最強の演出”が観たいわけじゃないんだよね」


「どうする? 続きあるけど?」


「無理。って言ーか、こんな事話してる時点で“アニメ開始5分で即切り”してるじゃん」


「原作……あるけど読む?」


 お役目でリアルタイム視聴出来なかったわたしに一緒に観ようと誘ってくれたのだ。それなのに、あゝ、それなのに。時間の無駄に……。


「原作は面白いんでしょ」


「だからこその漫画化からのアニメ化……」


「じゃあ、貸して。今は詩音との時間だからねー。夜うちで読むよ」

 

 最早、わたしの意識は詩音に向いている。

 カーディガンにキャミソール、ショートパンツというラフなルームウェア。

 今日は一切外に出ないという強い意思を感じる。


 かく言うわたしも出かける気はない。わたしも似たような格好だ。


 外出はしない。おやつにセイマンドーConnectとクラシスとソフィアボーダーという様々な形をしたボードに乗ってレースをするゲーム。コースに設置された様々なギミックを使ってトリックプレイをして得点を得ていく。タイムアタックとトリックポイントを競うゲームだ。


 他には『おさかなの海』という人魚のアバターを作って、海中で街を作ったりするゲームで、半魚人というクリーチャーの様な見た目の男型のNPCから街を守ったりするイベントが発生したり、嵐に見舞われた姫を助けたり、海賊(男)を妨害して海を海路を守ったりする。

『ホルダーアヤカシ』という陰陽師の卵になってアヤカシ帳を完成を目指しながら、アヤカシを封じて使役してバトルしたりするRPGだ。

 『アリアの伝説』というRPGが有名で大人気だ。キシン・ダイオという魔王から世界を救うゲーム。主人公はエルフの少女レイシア。プレイヤーはレイシアとなってオープンワールドを冒険していく。


 クラシスとソフィボー以外は時間泥棒の鬼神オニゲーだ。


 ホルアヤとアリアは引きこもり製造ゲームだ。それほどに面白い。一度始めれば学校や会社なんか行きたくなくなってしまう。


「じゃあ先ずはクラシスで対戦しよっか」


「そうね」


 私が使うキャラはレイシアのキャスト オフverだ。


 重装verも存在するけれど超近接だ。キャスト オフverはフックショットや弓矢を使ったり、勿論剣も使えたり出来るけれど、身軽になった分攻撃力は大幅に減っている。寧ろ紙同然だ。


「へぇ、レイシア(紙)使いなのね」


「紙言わないで、当たらなければ良いんだよ。戦い方次第で最強なんだから」


「へぇ……じゃあ、その戦い方とやらを見せて貰おうじゃない」


 そう言って詩音が選んだのはラストファンタジアの主人公エクレール。


 ラスファンには珍しく新たな試みで、オープワールド風の世界と完全なアクション、ステルスゲームだ。


 前作がシナリオとキャラで大爆死した為だ。


 ストーリーは行方不明になった母親を娘が探し、その原因となった皇帝と魔女、その側近や部下を暗殺していくゲームだ。その過程で様々な依頼を受けて解決したりとサイドストーリーも充実していて、インタビューではシナリオライターさんが「もうヤだ」としか言わなかったのが伝説となった。


「エクレールだって似たようなものじゃん」


「違うわよ。エクレールには精霊術の使い手で遠距離高火力特化型のキャラよ。ただ、普段はその強さと破壊力の為にふうじてるんだから」


 そうして始まった対戦。わたしの操るレイシアは縦横無尽にステージを駆け、攻撃を仕掛け、一瞬、エクレールを怯ませて、その瞬間に間合いを詰めてコンボを繰り出す。


 詩音もエクレールの精霊術を駆使して、暗器で暗殺を狙ってくる。


「あっ!」


 頭上から鋼糸で吊り上げられて藻掻くレイシア。エクレールがビンと鋼糸を弾くと、ガクリと力を失うレイシア。


 エクレールが勝利のポーズと決め台詞を行い、一本目の勝負が終わる。


「フフ。どう?」


「まだまだ始まったばっかじゃん?」


 わたしはエクレールを壁際に追い込む様に立ち回り、なんとか壁を背にさせる事に成功した。


「さあ、レイシアに怖れなさい、畏れなさい」


 通常斬撃を繰り出す。ただ、これを3度繰り出せば通常連続斬りとなる。しかし、しかしだ。このレイシアに限っては相手を壁際に追い込むと剣鬼へと変貌する。


 そう、弱攻撃ボタンを鬼連射することによってプレイヤーが疲れる、もしくはキャラがダメージ蓄積によってクラッシュ状態になるまで半永久的にコンボを繋げることが出来る。


「ちょっ!! 双樹!!」


 詩音が何をしようがエクレールは反応しない。サンドバック、滅多斬りにされていて、ちょっと子供には見せられない状態だ。多分、動画サイトでも問題になるレベル。


「このぉぅ……。いい加減にしなさいよね!」


 詩音がコントローラーから手を離して、わたしに向かって身を乗り出したかと思えば――


「フ〜……」


「――ひゃん!!」


 耳に息を吹きかけられて、感じてしまったせいで、思わずボタン連射をしていた手をコントローラーから離してしまった。


「あ……」


 しかも、詩音、耳を甘噛みしていった。


「しぃおん〜」


 恨めしげな声を出して、詩音を睨む。


「弱点を晒しているのが悪いのよ」


 そんなことを、してやったりという顔で宣う。


「へー。そんなこと言っちゃうんだ。覚悟!!」


「やっ……ちょ……そこ、ダメ!!」


 わたしたちのクラシスはここからだ!!

ラストファンタジアのエクレール。青き薔薇の公爵令嬢の本編内で連載していた『Blue Momentー瑠璃色の夜明けを薔薇色に染めてー』のソーナの娘として登場したアサシンな女の子です。

ラスファンのストーリーもそこから。




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