前へ目次 次へ 81/93 ヴァーミリオン 清らかな憧れというものが 運んでくる奇跡を わたしたちは知っている それから その波紋に 日々触れている 命を育てる太陽の熱量や 安らぎを伝える たおやかな月明かりのしずく この大気の麗かな黄金 食卓の団欒(だんらん)にたちのぼる芳しい茶煙 暢気(のんき)な日常に咲く神話のような花 詩の虚空に建造する 伽藍(がらん)というものは それ以外 何ものでもないから 幼子のときに 抱いていた世界 そのものだから ************ ************