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パーティーから追放された万能型暗殺者がエルフの聖女、獣人の盾役、魔人の特化支援術士、小人の従魔士、オッサン槍使いと出会ったのでパーティー組んでみた結果面白い事になりました  作者: 久遠
『追放者達』岩人族の国を救う

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『追放者達』、接敵する

 


 ガシャンダラ王の依頼によってアレス達が最初に赴こうとしていた、砦としての機能も兼ね揃えている城塞都市ベルーダからは、遠目に見る限りでもハッキリと解る程に濃く、高い黒煙をたなびかせていた。



 本来、他国からの侵略が在った場合の前線基地兼侵攻を押し留める為の施設としての側面を強く持っていた都市と言うだけは在り、強固な外壁と多数の屈強な兵士を常駐させている軍事都市でもあった為に、未だに陥落はせずに抵抗を続けている様子だ。


 ……なのだが、あくまでも対人用に設計されていた為か、魔物の大群に対してはどうにも攻めあぐねているらしくジリジリと押し込まれ始めており、所々防衛線を抜けた魔物に取り付かれた外壁が損傷して黒煙をたなびかせている、と言う事なのだろう。



 と、現状を持ち前の視力やら嗅覚やらタチアナによって感覚を強化してもらって得られた情報やらから判断したアレス達は、取り敢えず前線は押し込まれつつも膠着している事、未だに乱戦には至っておらずある程度ハッキリと敵味方に別れて戦っている事等から、ガシャンダラ王からの依頼も在ってまず魔物側の勢力を弱めるべく戦場を横合いから殴り付ける事を決定する。




「と言う訳だ、野郎共派手に行くぞ!突っ込め!!」



「了解、なのです!」




 契約者たるナタリアの手綱捌きにより、通常よりも更に加速した従魔達が、ベルーダの防衛施設へと食い付こうとしている魔物の大群の中腹へと横合いから突撃して行く。



 当然、魔物の方も馬鹿ばかり、と言う訳でも無いので、急速に接近してくる彼らに気付いた個体はそちらの方へと進行方向を切り替えて、彼らを迎え撃とうとその牙を鳴らし、爪を剥き出しにして迫って行く。



 ベルーダ側でも、彼らの存在を察知したのか、外壁の上から矢を射掛けたりして魔物を近付けまいとしていた兵士達が俄に騒がしくなるが、それらに構う事無く更に魔物との距離を詰めると、それまで準備していた遠距離攻撃の手段を一斉に放ち始める。




「ほんじゃあまぁ、派手にぶちかましてやるとするか!

『灼熱の波頭よ!全てを呑み込み、その焔にて等しく灰塵へと姿を変えよ!『真紅の奔流(クリムゾントーレント)』!!』」



「では、私も参ります!

『強き光よ!その輝きを持ってして、万物を貫き死をもたらす断罪と槍と化せ!『断罪の閃光(ヴォーパルレイ)』!!』」



「それじゃ、アタシもちょっと張り切って見ちゃおうかしらね!

頑強弱化デ・エンハンス・バイタリティ』『四重弱化(デ・クアッド)

 おまけに新技、見せたげる!

敵性全体波及(デ・マルチエンハンス)』!!」



「なはははっ!皆、張り切ってるねぇ。

 なら、オジサンも少し頑張って見ちゃおうっかな!『龍闘方・翔貫』『乱れ咲き』!!

 でりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!」



「…………流石に、他の皆よりは地味になるが、一応当方も参加しておくか!ぬぅえい!!!」



「流石に、純粋な前衛のガリアンさんは仕方無くないのです?

 まぁ、そう言うボクも、派手さは無いのですけど、魔力は有り余っているのですから、一つ矢の雨(・・・)でも降らせて見せるのですよ!えいっ!!!」




 タチアナの妨害術が彼らの目の前に展開している魔物の群れの殆んどに降り注ぎ、その防御力を著しく低下させる。


 そして、とある一方向に対しては効果範囲と破壊力、発動時間に優れたアレスの魔法が殺到し、地面すらも燃やし尽くしながら大群の一角を消し炭と化して行く。


 また、とある一角に対しては、アレスの魔法程の効果範囲は無いながらも、非常に優れた貫通能力と持続性、更には超長距離まで届く程の射程を持つセレンの魔法により、まるで光によって作られた槍で戦場を貫いた様な光景が作り上げれて行く。



 ソレにより、目の前の城塞に突撃するよりも、先に彼らの方を始末しないと不味い事になる!と判断した魔物の大群が一斉に殺到してくるが、未だに発動し続けている二人の魔法によってある程度方向と範囲が限られて突進の勢いを削がれ、そうして足が止まってしまった処に真っ正面から飛来する手斧によって頭蓋を砕かれ、曲射によって文字通り()()()()()()()()()()によって身体中を突き刺されて次々に魔物が脱落して群れの規模を小さくして行く。



 しかし、群れの中にはタチアナの妨害術を食らってもなお二人の攻撃に耐えられるだけの強力な個体が混じっていたらしく、時折それらの弾幕をすり抜けて彼らの元へと到達しそうになる個体もいたのだが、そう言った手合はヒギンズの手によって優先的に狙撃されて処理されてしまい、終ぞ彼らの元へと辿り着く事が出来ずにいた。



 そうこうしている内に、魔物側もソレなりに数を減らす事に成功したのだが、彼らの方も流石に魔法の発動時間が切れてしまい、それまで戦場を狭めていた二つの魔法が消滅してしまう。



 ソレにより、今まで襲ってくる方向が限られていたが故に、足を止めて固定砲台となる事が出来ていた彼らにも、機動戦闘が強いられる状況へと変化してしまう。



 とは言え、最初からソレを想定していた彼らに一切の動揺は無く、各自で得物を抜きながら前衛たる男性陣はそれまで乗りっぱなしであった橇から降車すると、ギラギラとした殺気を露にしながら魔物の群れへと目掛けて駆け出して行く。


 そして、橇に乗ったままの状態で残されている女性陣の内、橇の主たるナタリアは繋がれている従魔達を解放するべく橇を降りる…………事はせずに、通常の操作ではしないであろう手順にて手綱を引っ張ったり弛めたりを行って行く。



 すると、




 カチャン!!




 と言う音と共に、従魔達を橇へと固定していた金具が独りでに外れ、予め出されていた指示に従う形で半数はアレス達と共に駆け出し(当然装備は着けた状態)、もう半数は後衛たる女性陣が乗る橇の周辺へと護衛として散開して行く。


 ……とは言え、目の前の魔物の大群は視界を覆い尽くす程の数を誇っており、幾らダンジョンマスターによって存在を強化された従魔達であったとしても、流石にたったの五頭(森林狼四頭+月紋熊)で守り抜くのは難しく、実際にそうであろうと判断したナタリアは、今度は橇の御者台に添えられた取っ手を引き、先程の手綱と同じくドヴェルグによって仕込まれた仕掛けを起動させると、橇の側面が変形して外壁として立ち上がると、簡易的なかつ即席のトーチカが完成する。



 ソコに籠って物理、魔法両方の遠距離攻撃を周囲へとばらまき、時折タチアナが各種妨害術を魔物側へと波及させ、取り付いてきた魔物は従魔達が引き剥がして始末する。



 そんなある種の理想的な拠点を構築して後衛が全力を発揮し始めた事により、前衛の男性陣も後ろを気にしなくても済む様になった為に魔物を倒す事に集中出来る状態となり、それまでとは比較にならない程の速度で次々に魔物が剣で斬られ、斧や盾で叩き潰され、槍で貫かれ、爪や牙で引き裂かれて行く。



 そうして少人数ながらも軽く数百体程の魔物を討伐して見せた事により、魔物の大群全体がベルーダ側では無くアレス達の方こそが脅威であり、先にそちらを断固として排除しなくてはならない!と判断したらしく、それまで一部の魔物が注意を向けて来ていた時とは打って変わって群れ全体で彼らを押し潰そうとして殺到し始める。



 ……しかし、ソレを好機と見たからか、それまでは防戦一方であり、強固な外壁の中に立て籠るだけに留めていたベルーダがその城門を開け放ち、内部から岩人族(ドワーフ)の精鋭達がアレスを目標として定めて方向転換し、無防備に後ろを晒した魔物の群れへと突撃を仕掛けて行く!



 更には、事態が急変した場合に備えて温存されていたのであろう魔術師部隊と思わしき一軍が城壁の上に展開し、大群のど真ん中にて大立回りを繰り広げているアレス達を巻き込まない様に気を使いながら、当たるを幸いに魔法を乱発して魔物を次々に吹き飛ばして行った。




 そうしたタイミングを逃さぬ絶好の援軍により、ベルーダを襲撃していた魔物の大群はその大半が討伐され、残りは蜘蛛の子を散らす様にして四方へと散って行ったのであった。





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