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12時投稿を止めました。ぴったり投稿に切り替えます。
一時間が経過しました。今現在、同時に思考ができています。
さっきは一時間も続かなかったので成功したのでしょう。さて、攻撃手段も手に入りましたし、いざ!ダンジョンへ!剣を杖として使う方法も技術も身につけていませんが・・・まあ、いいでしょう。若者というのは挑戦してこそ意味があるのです!
一階層は以前と変わらずただの洞窟ですね。壁や床はごつごつ。湿気が少し多い。少し肌寒い。ここに住みなくはないですね。不死人族の遊び場です。
魔物に出くわす前に【雷魔法】【風魔法】【土魔法】【石魔法】【岩魔法】【木魔法】【砂魔法】【霧魔法】と、その上位魔法である【炎魔法】【氷魔法】【地魔法】【樹魔法】【嵐魔法】【光魔法】【闇魔法】【影魔法】【聖魔法】【隠魔法】【陽魔法】【陰魔法】などの二次魔法と呼ばれる魔法や【爆破魔法】【消滅魔法】【時空魔法】【破壊魔法】【空間魔法】などの第三次魔法を取得します。他にも魔法があるのです。が、例を上げると切りがないので止めます。魔法は広く深いので、日夜開発されています。聞いた話では魔法都市である《イルネスティー》では、9時間に1つくらいで新たな魔法が開発されるのです。是非行ってみたいですね!
洞窟タイプのダンジョンでは燃える魔法を使ってはいけません。つまり、【火魔法】【炎魔法】【火炎魔法】【業火魔法】【溶岩魔法】【爆発魔法】などは使ってはいけないのです。呼吸ができなくなり死んでしまうか、何故か死んでしまうので、しばらく進めなくなるそうです。
長く生きる種族は時間の流れが遅くなるようです。私たち不死人族の少しは年単位です。
【火魔法】は私のお気に入りの魔法だったのですが、洞窟型ですので他の魔法で魔物を狩るつもりです。まだレベルが低いので【肉体強化魔法】を使い筋力を上昇させます。疲れたら【治癒魔法】で癒します。レベルが上昇すれば使わなくてもいいのですが・・・それには魔物を倒す必要があります。
魔法を持続させているので魔力を常に消費しているのですが、魔力が尽きる前に種族スキルの【魔素操作・変換】で魔力を充填できるのです。
無限に続く魔法の嵐。これが数の少ない不死人族が国となれた理由です。1万人に満たない国というのはとても珍しいのですが、この国はどんな超人や魔物が訪れても跳ね返すのです。そもそも不死人族は恐れられていますので、戦争を仕掛けてくるような国は皆無です。千年に一度くらいで攻めてくる国が現れるようです。
魔物と出会うまでの余談ですが、不死人族と長耳人族の相性は素晴らしいのです。あ、不死人族にとって素晴らしいのです。何故なら長耳人族の長所は魔法だからです。しかし、私たちは相手から魔力を奪えるのです。正確に言うならば相手の体内に溜まっている魔力を魔素に変換できるのです。例えるならば、コップに溜まっている水をすべて水蒸気に変えるようなものです。つまり!魔法を得意とする種族に負けるはずはないのです。この種族スキルを回避する方法、または、無効化する方法は魔力を固形にすることです。純人族は技術でそれを可能にしました。また、何かの容器に入っている魔力は変更できないのです。隙間があれば私たちが干渉できます。
つまり、長耳人族は我々と戦うときは穴という穴すべてを塞がなければ勝ち目はないのです。一番塞ぎにくい場所は尿道ですね。私たちに勝つためには塞ぐだけでいいのですが、外見がよく、命よりもプライドが大切な長耳人族はそんなブサイクなことをしません。想像するだけでも笑えます。整った顔ですのに、鼻の穴に木を詰め込んでいる姿はまさに滑稽です。そのような事をしないように、今は不可侵条約を結んでいます。
しかし、宝石人族という種族は魔力を体内に溜めるのではなく体中に付着している宝石に溜めます。この種族に私たちの種族スキルは通じないのです。厄介ですが、私たちには脳筋の皆さんがいますので楽です。
魔物を発見したので余談は終わりですよ。【生命探査魔法】に反応がありました。1年ほど前に魔物を倒した時の緊張感が蘇ります。体中の毛穴から汗が噴き出すような勢いです。寒気と不安と少しの罪悪感に包まれています。
まず、私は少し前にそれを出します。そして、一気に解放すれば爽快感が訪れます。ああ。この時の為に生きていた。そう錯覚させるほどでした。しかし、この一種の快感はそう長くは続かないのが現実です。
あ、あまり見ないでください。生物なのですから、放尿は必要です。
さて、どんな魔物なんでしょうか?偵察が必要ですね。しかし、私は少し臆病ですので対峙したくはないのです。どうしましょうか。遠隔操作で動かせるものが欲しいですよね。そして、私が様子を見ることができるようにもしたいです。なににしましょうか?あ、義眼というのはどうでしょうか?硝子の球です。
悩んだ末に【硝子魔法】【感覚共有魔法】【操作魔法】【付属魔法】を創造しました。硝子を操作して、そこに視力を持たせます。これで私の第三の眼が完成しました。破壊されても痛みはありません。なので思い切ったことができるのです。ついでなので刃物型の硝子も作成しました。勢いをつけて敵に当てれば私がタイジしなくてもいいのです。予備の硝子も作成しました。いざ!出陣です!完璧な後衛じゃないですか?遥か遠くから敵を攻撃できるのですよ?
硝子の眼に映ったのはなんと、スライムでした。そうです。あのスライムです。表面張力や重力を無視し、丸みを帯びているあいつです。
『スライム。半透明で、半液状の魔物。種類によっては、色、大きさ、臭いが変化する。なんでも体内に取り込み、溶かして養分を得る。半分は液状なので物理攻撃は通じにくいが、体内にある核を攻撃すれば倒せる。また、魔法に耐性がないことで有名。亜種、突然変異種の発生も確認されている。
PS、主人公の序盤の仲間で有名。後に強くなるこ ともある。要注意。』
硝子との相性が悪いなんて・・・考えてもいませんでした。そうですよね。物理攻撃があまり有効でないことはわかっていました。となると硝子ではなく別の魔法で攻撃する必要があります。もっと言いますと、魔物と対峙する必要があるのです。ちなみにスライムは正方形です。角がない正方形の姿をしています。
勇気を振り絞って魔物に向い合いました。スライムに向かって魔法を撃ちます。しかし、練習していない魔法はスライムにも避けられるです。こんな時のために【自動追尾魔法】を創りました。この魔法を発動させてから撃った二度目の魔法は、きれいな奇跡を描きスライムに当たりました・・・仕留めた距離が近いです。あと50センチほどで接触していました。これでは剣の使いどころがわかりませんね。近づいてきた魔物を斬ればいいのでしょうか?
魔物が死ぬとき、やつらは何かを残します。それは体の一部であったり、愛用していた武器であったりしますが、目の前にあるドロップのように訳のわからない物体であることもあります。
このドロップは見たことが無い球体でした。スライムを倒すと普通は魔核と呼ばれる物を落とすらしいのですが、おかしいです。こんなときに使うのが【鑑定魔法】。
『スライムの卵。魔力溜まりで自然発生する以外にも、分裂によって数を増やすスライム。だが、亜種や変異種は卵で増えることもある。卵からは変異種が生まれる。また、卵に送った魔力の量で、孵化後の性能、性質、状態、知能などなどが変化する。孵化は地上に発生してから3日。また、スライムは雑食であるが食事をする必要はない。魔力だけでも満足する。』
すごい物を拾ってしまいました。まさか、あの正方形から丸い卵が生まれるとは・・・でも魔法に弱いのですか・・・私の隣では戦えないのですね。
いえ、前衛として申し分ありません!送る魔力の量によって変化するのならば、大量に送りましょう!なぜなら!私たちは魔力の尽きない種族なのですから!どのくらい送ればいいのか分かりませんから、大気中にある魔力を吸収しつつも常に魔力を送ることにしました。魔力を水で例えるならば、決壊したダムと同等の量が卵に流れ込んでいます。
疲れました。一日くらい何も食べなくても生きていけると思いますので、今日は帰ります。
「あら?おかえりなさい。驚いたわ。3年は帰らないと思ったのよ?」
さすが不死人族です。3年を3時間と同等に扱っています。母に疲れたことを言うと私はそのまま自室に籠りました。寝ながら実験の時間です。意識を覚醒せずに使うこの高等技術は【同時思考魔法】が常に発動しているからこそのものです。片方には休んでもらい、もう片方には魔法の組み合わせを初めから試してもらうのです。それによって有用な魔法の開発ができるのですよ。あとは平行して創造する魔法を選んでもらいたいです。では。もう一人の私。おやすみなさい。半分の睡眠時間になりましたら起こして下さいね。
翌朝です。半分の私は起きることがありませんでした。半分でも研究者体質の私です。きっと、寝るのを忘れて研究していたと思われます。床には有用と思われる魔法の組み合わせが書かれた魔法でできた紙が散乱していました。
一度【同時思考魔法】を解除した私は紙の中から特に有用と思われる組み合わせを探します。見つけたのは【霧魔法】と【雷魔法】です。霧を通して感電死させることが目的なのですが、うまくいきそうにないのです。それならば、【金属魔法】と【霧魔法】と【雷魔法】の組み合わせのほうがいいでしょう。【霧魔法】は水蒸気だけではないのです。なにかを霧状にする魔法です。組み合わせが無い場合は水蒸気の霧が発生する魔法なのです。
・・・お腹が空きました。ダンジョンよりも、外の方がよさそうですね。
「今日は外に出かけてきます。」
「わかったわぁー。誘拐だけには気をつけるのよぉー。」
「はい。」
読んでいただきありがとうございます。
次話は、誘拐物語です。長くできれば長くしますが、できなかったら魔物を見つけたセルゼルフの話になります。