12
ようやくここまで来ました。思えば長かった・・・
時系列がごちゃごちゃです。気を付けてください。
「お前。冒険者になったのか?何ランクだ?あぁ?Gだろうな。」
「・・・そうですね。これからの伸び白が大きいです。」
「はっ!やっぱりな!」
「嘘だろ・・・」
「あの人が関わってきた?」
「不干渉のあの人が?」
「あの新人・・・」
「手を出すべきではないな。」
俺たち冒険者が恐れている存在は主に3人。いや、言い直す。俺たちが常に恐れている存在が3人もいる。受付嬢のケアルさん。ギルマスのジャックローニ。そして、二体人族のトムロジャー。常軌を逸した存在の3人だ。たまに鑑定士のイルスも恐れられるがあれは例外だ。礼儀をしっかりしていれば恐怖の顔を見ることはない。
トムロジャーはどんなことにも不干渉を貫いていた。しかし、今回のような場合は別。Sランク以上の存在を見張る役目を持っていると言われている。というよりも、ギルドの壁に書いてある。職員一覧の項目に書いてあるのだ。新人に絡んだ冒険者はEランクで止まっている雑魚。ということはあの新人が相当やばい存在ということになる。
「・・・・Eランクに昇格しました・・・」
Eランクに昇格。つまり、トムかロジャーに認められたという事を意味する。あの鬼と戦わなければならない。昇格に甘いと知られている街に移動して上がる手段を取るのが通常だが、稀にそういうやつが出る。関わらない方が身の為であるようなやつだ。
「お前。冒険者になったのか?何ランクだ?あぁ?Gだろうな。」
「そうですね。これからの伸び白が大きいです。」
「はっ!やっぱりな!」
馬鹿な奴だ。恐怖の新人は嘘を言っていない。〝伸び白が大きい〟と言っただけだ。それを鼻で笑うもう一人の新人。しかし、雰囲気だけはある。弱くはないだろうな。他のみんなもそう思っているだろう。しかし、一番やばいのは恐怖の新人。
「あっちの新人の強さがわからん。」
「俺もだ。Eランクっていう事はそれなりの強さがあるだろうと思うけどな。」
自分に自信がある者は恐怖の新人が弱く見えるだろう。あの鎧はただの黒い鉄の塊に見えてしまう。魔素を感知できる者は恐怖を覚えるだろう。全身から余剰分の魔素が流れ出ている。そして経験者は何も分からなくなるだろう。
「・・・白ですね。今日からあなたはFランク冒険者です。」
「わかった。さっそく外に行ってくるよ。」
「はい!お待ちしています。」
あの受付嬢がケアルさんですよ。長耳人族と小人人族のハーフです。小さく、18ほどの年齢に見えるでしょ?新人はみんなあれに騙されるんです。惚れられたと思うでしょ?みんな貢いで後悔するんです。特にああいう自信に満ち溢れているようなタイプの人間は彼女の演技に翻弄されるんです。彼女が本性を見せる時は十分に貢いで貰った後です。ついでに言うと、彼女に関わった後は思考の中でさえ丁寧語になります。
恐怖の二人といきなり会った彼らはかわいそうだな。しかし、ケアルさんの魅了とも言える影響を無視した恐怖の新人。彼は今日、きっとギルマスに会う。
嫌味を言った偉そうな人がギルドを出て行きました。壁の外に出て魔物を討伐して、ドロップを集めてくるのでしょう。もしくは、討伐依頼をしているのでしょう。討伐依頼とは、特定の魔物を倒してくることです。繁殖すると困る魔物などが対象です。私はどうしましょうか。突然ギルドの中が騒がしくなりました。何かあったのでしょうか?
「だぁかぁらぁ!!カウントダウンに入れさせろって!」
「駄目です。必要なランクに到達していません。」
「そのランクに上がるために行くんだろ!?順序が逆なんだよ!」
揉めているようです。いやですよね。ああいうやつ。黒目黒髪で背は高め。腰にはいい剣があります。装備もなかなか。しかし、手入れがあまりできていません。短期間で強さを手に入れた人の特徴です。急激な成長があれば、収入も上がります。すると、もっといい装備になるのです。手入れを忘れてしまうのですね。
「どうじゃ?カウントダウンにおぬしは入れると思うか?」
突然老人に話しかけられてしまいました。最近初対面の人に会うことが多い気がします。
「カウントダウンですか?」
「知らんのか?」
「はい。残念ながら。」
「それでは、説明しよう・・・」
長かったです。《カウントダウン》はこの国の近くにある森の名称でした。厳重立ち入り制限区域であり、入るにはギルドか国王の許可が必要です。由来は森を囲う草原にあります。草原は100メートルほど続き、草原は砂利道に囲まれています。森を囲う草原を囲う砂利ですね。森の魔物はとにかく凶暴で、強いのが特徴です。しかし、変わった習性があるのです。それは草原から出ないこと。そこに入った人は魔物に勝てず、追われて草原をかけぬけます。その時に頭の中で必ず思うそうです。〝あと40メートル・・・・あと30メートル・・・生き残れる!後少しで!あと10メートル!〟みたいな感じですね。しかし、100人森に入ってカウントダウンを0まで言えた人は3人ほど。そんな森です。
「もっと厄介なのは人の肉を食った魔物は砂利を越えることができるという点じゃ。我々が規制している理由もわかるじゃろ?」
「出てくる理由を与えてくないのですよね。」
「そうじゃ。それにあそこはダンジョンだと思っておる。」
「ダンジョンですか?」
「そうじゃ。それなら説明が付くのじゃ。人肉を食べることで魔力量が多くなり、外で活動できるようになる。砂利を出るとダンジョンではないから活動できない。だから出ることができない。」
「カウントダウンはわかりましたが、何故私なんでしょうか?」
「単純に強そうだったからじゃ。」
「あの新人・・・」
「やっぱりやばいやつだ。」
「ギルマスの威圧を感じていないな。」
「表情一つ変えないからな。」
「やっぱり関わらないほうがいいと思うぞ。」
「いや、逆にパーティに誘い込もう。」
「それがいいかもしれない。一つ言えるのは。やつの敵になってはだめだということだ。」
「中立か味方にならなければならないな。」
ギルマスはおじいさんの見た目をしている。しかし、その実樹木人族だから本当はまだ若木であるらしい。ジャックローニは足を上げることができない。ギルドの木板と同化しているからだ。いや、厳密に言えばこのギルドはジャックローニ本人であるのだ。スパイクの着いた靴を履いた者はだれであっても侵入させないポリシーがある。
「あなたの周りに人が来ないのは何故ですか?ここって、依頼書を確認できるところですから、人気があるはずですよね?」
「おぬし、気づいておらんのか?わしはギルマスじゃ。威圧も放っておる。」
「・・・すみません。わかりませんでした。」
「・・・そうか。あ、それまでじゃ!それ以上したら貴様を殺す。」
「だぁかぁらぁ!!カウントダウンに入れさせろって!」
「駄目です。必要なランクに到達していません。」
「そのランクに上がるために行くんだろ!?順序が逆なんだよ!」
「他の事でランクを上げてください。あそこはAランク以上しか入れません。」
どうにも話がわからんやつが多い。Aランクに上がるにはBランクの魔物を多数討伐できる実力と、護衛依頼数件、素材依頼、討伐依頼をこなさなければならない。討伐依頼と護衛依頼は達成しているし、素材依頼は他所で買ってクリアした。あとはBランクの魔物を問題なく倒せるっていう照明だけだ。《カウントダウン》に入ればBランクの魔物がいる。ちょうどいいじゃねぇーか。
「おいおい。ランクが足りてねぇなら諦めろって。死の森でもいいじゃねぇか。」
「死の森か・・・わかった!死の森に入る許可書を出せ!」
「駄目です。死の森に入るにはSランク以上が必要です。なので、あなたが入れば一瞬で殺されますよ。」
「はぁ?」
「だってよ。諦めな。」
むかつくやつらだぜ。俺の名前は博。異世界人だ。チートも持っている。わけあってクラスのやつらから逃げている途中だ。クラスのやつらやあの国が俺を排除できないようにするには歴史に名を刻む必要がある。一番速いのはAランク以上になることだ。今のところ順調にランクが上がっている。早くしないとだめなんだ。こいつらは俺の強さをわかっていない。氷を操る力と【氷魔法自由使用】が俺のチート。実家がアイスホッケの会場をしていたからかもしれないが、俺にはこの二つの力がある。あぁ。腹立ってきた。隠し持っていた氷を動かす。一瞬でこいつらの首を刈ってやる。
「そこまでじゃ!それ以上したら貴様を殺す。」
強すぎる重圧だ。ここのギルマスには逆らわない方がいいな。それにしても小さいギルマスだな。ここじゃなかったらただの小さなおじさんだぜ。
「いつから見ていたんだ?」
「今さっきじゃ。それで?カウントダウンか不死の森に入りたいじぁと?」
「そうだ。」
「じゃあ、あれを倒せたら考えよう。」
「はぁ?あんなガキをか?黒い鎧以外はただのガキじゃねぇか。」
「私ですか?できれば巻き込まないでほしいのですが。」
「おぬしには報酬を払おう。」
「でも、私はまだEランクですよ?勝てませんよ。」
「はぁ。しょうがないなぁ。勝ったらDランクにしよう。」
「負けた時のペナルティーはないんですよね?」
「そうじゃ。4番会場で行うでの。観客もくるのじゃぞ。開始は一時間後じゃ。それまでに用意するように。」
巻き込まれましたね。ランクが上がるからいいのですが、早く城に戻らなければなりません。あ、クロに伝達を任せましょうか。
「クロ。城に行って父と母にこれを・・・・渡して下さい。」
「ぽよ!」
異空間から紙とペンを出して〝遅くなります。夜には戻りますので〟と書いて折りたたんだ後でクロに渡しました。クロはとても喜んで飛び跳ねています。
「見つからないように行って来てくださいね。そのまま城で待機していていいですから。」
「ぽ!」
私は先ほどの男の人を見ます。名前は何と言うのでしょうか?まぁ、この先関わることは無いでしょうから知らなくてもいいでしょう。
「おい。ガキ。」
「なんですか?」
「殺してやるからな。」
「へー。」
むかつきました。この人むかつきます!頬を膨らませず、私は4番会場に向かいます。ところで、4番会場はどこですか?どこかにあると思います。怒りに身を任せて移動しましょう!
迷子です。はい。こんなに広いのですから!迷子になってもしょうがないじゃないですか!
「迷子なの?」
「実は迷子です。4番会場に行きたいのです。」
「じゃあ、おねぇさんが案内してあげる。」
「だれですか?」
「副ギルドマスターのローシャよ。よろしくね。4番はこっちよ。」
「はい。」
私は今、相手の顔に泥を塗っています。こうなったのも、全てギルドマスターが原因だと思っています。報酬を上げなければ私は怒りますからね。
「そろそろかしら?」
私の後ろで副ギルドマスターが予想します。しかし、一筋縄ではいかないのですよ。まだまだ時間がかかりそうです。
読んでいただきありがとうございます。
いよいよ後衛らしいことを次回します。




