だいさんじゅーわ!【ゆめ】
1
自室のベッドで目が覚める。
待って、デジャヴ。
「あら、ようやく目が覚めたのね」
ベッドの横にはセレナが座っており、ベッド横にある机の時計は午後一二時二五分を示している。
「学校、終わった……」
布団から出て早々、この世の終わりのような気分にされるのはいかがなものか。
「あんた、今日土曜日よ?」
「え?」
俺は慌てつつ再び時計を見る。
時刻は先ほどと変わらない。
日付は一一月一八日の土曜日。
「ああ、土曜日か……。よかった」
俺は安堵しながら、再びベッドに身を任せる。
いや、学校無いなら二度寝もありでしょ。昨日の夜だっていろんなことがあって遅くなってんだし、しっかり寝れてないんだから許されるよなぁ?
そう心の中で唱えながらベッドに体を倒そうとしたら、セレナに止められた。
「一ついい?」
「ん?なんだ。俺は眠いからよっぽど大事な用じゃなきゃ寝るぞ」
「アンタ今日なんか夢見たでしょ」
そう言われて少々考える。
確かになんか懐かしい感じの夢を見た気がする。
「それがどうかしたのか?」
「それがね、次の性戦で戦うために必要になりそうな材料なの」
なるほど。
「でも、夢がどうやって現実に影響を与えるんだ?」
「私は実際にその場面を見たことが無いからわからないんだけど、先輩の淫魔が『夢の中にちりばめられたキーワード』とだけ言ってたわね」
うーん、夢が大切そうだっていうのはわかったんだが、そのキーワードを集めるのは難しそうだな。
「そのキーワードは人によって違うのか?」
「そうみたいね」
てことは何とか次の性戦までにそのキーワードは集めておきたいな。
あ、そういえば。
「お前、さっき沙夜香に何してたんだ?」
「ああ、あれね。あれは起きた彼女の体に異常が無いか調べてたのよ」
そうか。
まだ誘拐されてから十数時間しか経ってないんだよな。
そのおかげで見るもん見れたし大満足。
「で、結局異常はあったのか?」
「うーん、これと言って症状が現れるような異常は見られなかったわね」
俺の質問に少し含みを持たせた言い方で答えるので、俺は少し不安になる。
「じゃあ、症状が現れない異常はあったってことか?」
その質問をすると、セレナは少し俯き答えるのをためらう。
それがなぜか、俺には死刑宣告される前のように思えてならなかった。
「貴方の妹はね……」
そこで一度間を開ける。
その間が俺にはひどく長く感じられた。
「[被加虐症]、だったわ」
四十九日があって投稿が遅れてしまいました……
本当にすいません!




