だいにじゅーきゅーわ!【奇跡のタイミングってあるよね】
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いつものベッドで目が覚める。
何だろう、何か大事な夢を見ていた気がするんだが、思い出そうとすると靄がかかったようになってうまく思い出せない。
そんなことより、今朝は先日までの様子とはかけ離れている気がする。
お玉とフライパンのハーモニーが聞こえてこなければ妹がそれに切れる声も聞こえてこないし、淫魔のよくわからん話も聞こえて来ない。
時計を見れば、時刻はすでに午後一時を回っている。
「っておい!おい!をぉい!!!」
はい遅刻確定!乙!
キッツ、留年はマジつらすぎる。
『うっさい、兄貴』
ドンドン。
壁ドンに続いて隣の部屋から浴びせられる罵声。
おいおい、妹よ、俺と一緒にいたいからってこんな時間まで家にいるのは感心しないぞ。
「って、そうじゃないじゃん!」
そこまで言って、気づく。
妹は確か、一回目の性戦の人質にとられたんだった。
声が聞こえたということはおそらく大丈夫なんだろうが、一応確認しないでおくわけにはいかない。
決してやましい気持ちは、きっと、おそらく、ない。と思う。たぶん。
とりあえずベットから飛び出し、隣の部屋の扉をノックする。
「おい、大丈夫か?」
『は?何が?ってか、勝手に来ないで!』
うん、声の調子を聞く限りは大丈夫そうだ。
次は顔色の確認だな。
「入るぞ」
ガチャ。
失礼~。
扉を開けるとそこには妹の具合を確認するセレナと、様子を診て貰っていたのか、下着姿の妹がいた。
こちらを向いていなかったのが非常に残念。
しかし、あの妹の艶やかな肌と艶めかしい肩甲骨を拝めただけでも収穫はアリだ。
神様、ありがとう。
「入ってくんなって言っただろ、ハゲ!死ね!失せろ!」
「うぉッ、あぶね!」
ヤベ、こいつそこらへんに転がってるヘアブラシとかドライヤーとか、しまいには電動こけしまで投げ始めたぞ……!
でもその激しい動きのおかげで、徐々に淡い青色のブラから身がこぼれ始めた……!
艶やかな肌が露出する。その体にはシミひとつない。
ふつくしい……。
ってかいつの間にそんなに発育したんだい?お嬢さん。
「やっぱり中学生は最高だぜ!」
「うっさい、死ね!」
「おごっ」
頭に電動こけしがぶつかり、意識が遠のく。
倒れる直前、セレナがニヤついていたのは錯覚じゃなかっただろう。
……、おおゆうしゃよ、しんでしまうとは なさけない。
番外編を投稿する影響で一度削除させていただきました




