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だいにわ!【妹が夕食作りを手伝うはずありません】


1


  俺はパソコンがシャットダウンされたのを確認すると、一階に降りるために階段へと向かう。

  その道中で妹と出会う。


「おかえり。いつ帰ってきたの?」


 俺はすれちがいざまにさりげなく話しかけるも、妹は俺が見えてないとでも言うように俺の横を素通りしてしまう。

 俺の横を通り過ぎた妹は自分の部屋に入ると勢いよく扉を閉めて自分の部屋に閉じこもってしまった。


「今日もダメだったか……」


 いつものように無視されたことに頭を抱え、一階に降りる。

 妹が俺と全く会話をしてくれなくなってしまったのは嘆かわしいことだが、一番悲しいのは俺がこの状況に慣れてしまっているということだ。

 日々冷たくあしらわれ続け、初めはのうちは俺のガラスより脆いハートが木っ端微塵に砕け散ることが日常茶飯事だったのに、今では『またか』、という意識が先に来る。


「考えても始まらない、まずは飯だ」


 今日は母親は遅くに帰って来るし、父親は海外出張。

 世間では俗に言う「いないからいいよね?(ナニとは言わない)」という状況。

 しかしこれは兄妹がいちゃいちゃらぶらぶでお花畑な裏山けしからん場合に限ってのこと。

 俺がそんなセクハラまがいなことを言いだせば妹はすぐに警察や両親に連絡し、俺はごーとぅプリズン、人生終了だ。

 ゲームの中ならコンティニュー出来るものの、ここは現実。

 一応分別はあるつもりだ。


「まずは飯を作ってやらないとな」


 こういう両親がいない日は俺が料理を作ることになっていて、はじめのうちはカップラーメンばかり出していたら母親と妹にキレられたので、今は立派な高校生として自炊をできるようにしている。

 いつまでも決めあぐねているわけにもいかないので、男らしく「今日は唐揚げ!」と決断し、早速行動に移す。

 普段は母が使っているキ◯ィちゃんのエプロンをまとい、鶏肉に下味をつけて寝かせる準備に取り掛かる。

 その間にご飯を炊いてしまおうと米も洗い、せっせこせっせこと働く。

 ……こんな時、『お兄ちゃん、次は何すればいいの?』と上目遣いで聞いてくれる妹がいればどれほど精神的に楽なことか。

 しかしそんな幻想は諸々の準備が終わっても終ぞ叶わず、当たり前でもついつい落胆してしまう。

 一区切りついたので少し休憩でも挟もうとしてそれまでつけていたキテ〇ちゃんのエプロンをたたんで元の引き出しに戻し、いったん部屋へ戻る。

 この後起こる悲劇も予想せずに。

暇になったら書くから不定期更新でも怒らないで?(´・ω・`)

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