だいにじゅーはちわ!【童貞ビビってる、ヘイヘイヘイ】
1
その日の夜、下半身の違和感で目が覚めた。
朦朧とする意識の中で、視線を違和感の元へ向ける。
そこには、ズボンを脱がし、今にも我が息子を手にかけようとしている悪魔がいた。
「うぉおっと!おま、ちょ、何してくれちゃってくれちゃってるんですか!?」
慌ててベッドから抜け出す。
下半身が丸出しだが、気にしている暇はない。
「何って……、ナニだけど」
少々恥ずかしがりながらそういった悪魔が、何故だろう、今はその姿がとても可愛く、魅力的に映る。
って、騙されてはイカン。
俺には貞操を捧げるべき相手がいるんだ……!いないけど、できると思う、多分、きっと……!
「いいから、早く続きしましょうよ。今までは私の魔力だけで現界してたけど、そろそろ底を尽きそうなのよ。補給でもしてないとやってらんないわ」
俺が葛藤していると、先ほどまでの恥じらった様子とは打って変わって、積極的になった。
おぉう、こういう痴女っぽいシチュエーションもいいかもしれない……。
「いや、ダメだ!貞操はもっと、ちゃんとした人に捧げたい!」
その後なら全然オッケーです!寧ろ来て欲しいくらいだね!
「そんなこと言ってるけど、あんた我慢できないんじゃない?さっきかけた魅了がそろそろ効き始める頃だと思うけど」
そう言って淫乱女は俺の下半身を指差す。正確には局部を。
釣られて俺も視線を下に向ける。
おぉう、マジだ。コレ、見てみろよ。
ビンビンだぜ。
「なぁぁぁぁにしてくれちゃってんですかねぇぇぇぇぇぇ!こぉぉぉぉの、痴女ぉぉぉぉ!!」
俺は渾身の叫びをかます。
深夜で近所迷惑になっちゃうからボリュームは控えめで。
「で、どうすんの?別に嫌なら嫌でいいんだけどさ、アンタ、この後自家発電でもすんの?」
「あっ、お願いします」
据え膳食わぬは男の恥って言うしな。手のひらグルングルン。
べっ、別に女の子が見てる前で自家発電したくなかったとか、そう言うんじゃないんだからね!?
「じゃあこっち来て」
ああ、ついに俺も大人の階段上るのか……。
さようなら、俺の童貞。
でも、こんな形の初体験もそれはそれで乙……。
とか考えてたら、ついに俺の上にセレナが跨ったぞ!?
「それじゃあ、力抜いて」
その言葉に従い、俺は全身から力を抜く。
とうとうか……。
とうとう喪失するぞ……!
「って、おおおおおおおおおおおおおお!?」
なんだ、何が起きているんだ!?
俺の息子が何かに吸い込まれるように、ギュイインってなってる感覚がする!?
「おま、今何してんの!?」
その訴えを聞いた悪魔は、さも当然のように
「え?精力吸収だけど?」
と言い放った。
すごいね、コレ。
まるで掃除機に相棒が吸い込まれてるみたいだよ。
セレナは相棒に触らず、手の前に光の球体見たいのを出して、それに相棒が飲み込まれてる感じだ。
俺が暴れてなんとか脱出しようとしても、そんな華奢な体のどこからそんな力がってぐらいのパワーで押さえつけてくる。
……、もうさ、俺が戦うよりもこいつが戦った方が勝率高いんじゃないの?
やがて光が落ち着き、俺の相棒が萎えたところでセレナは俺を解放した。
出せてはいないのに萎えてのは原理が気になるね。
ナニが出せてないかは言わないけどさ。
「ふぅ。やっとこれでしばらく活動できそうだわ。ありがとうね」
そう言って、セレナは部屋の隅に向かっていって、影に溶けて消えた。
「……、マジなんなんだよ……」
今日一日で今年一年分くらい疲れた気がするぞ。
セレナに搾取されたままの姿勢で、眠りに着く。
睡眠を邪魔された反動と、先ほどの騒動とで直ぐに眠気がやって来て、俺はそれに体を預ける。
もうそれほど長い時間は眠れないだろうけど、せめて数時間は安眠させてくれるように俺は祈った。
掃除機に息子を吸い込まれたらちぎれる希ガス




