だいにじゅーわ!【男の娘的な?】
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一限の数学IIは自習になるなんて都合のいいことは起こらず、授業は滞りなく行われた。残念ながら。
「えー、今回は微分の続きからやっていきたいと思います」
めっちゃこれゴワゴワするんだけど。やだ、何かに目覚めそう。
『ちょっと、あんたナニおっ立ててんのよ!』
何ってナニに決まってんだろ!?ってかこいつ、脳内に直接……!
『できるに決まってるでしょ!この状況であなたに話しかけるなんてできないでしょう!?』
おお!念じるだけで会話できるのか!便利やな!
『そんなことは今どうでもいいから、早くその粗末なものしまいなさいよ!』
は!?そう簡単にしまえるもんじゃないだろ!ナニって!
ってか大体あんたサキュバスだろ!淫魔だろ!そういうのって好物じゃないのか!?
『バカね!こういうのはシチュエーションが大事なのよ!』
シチュエーションって、俺とお前がそんなロマンチックな関係になるわけないだろ!
馬鹿か、こいつ!
『そういう揚げ足いいから、早くしまいなさいよ!』
だから無理だって言ってんだろ!
そう簡単に収まるものじゃないんだってば!
『早くしないと肉棒の割れ目に紙セットしてシュッてやんぞ』
すいません。すぐ萎させます。
怖すぎ。よくそんな非人道的なことをすっと言えるな。
『それでいいの。今度から私がこの状態になってるときは絶対に変なこと考えないこと。次やったら紙セットするだけじゃないからね』
うわ、これもう生理現象でも大きくできないじゃん。
それほどまでにコントロールできるのかわからんぞ。
「お前全然書いてないじゃねぇか。体調悪いのか?さっきから心ここにあらず見たいな表情して」
「あ?ああ、いや、大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだ」
「それならいいんだけどよ、今のお前その恰好結構目立ってるからあんまり不思議がられんなよ?事情聴かれたらいろいろ面倒だろ」
さすがは俺の幼馴染。俺のことを考えてくれてるなんて、なんていいやつなんだ。
泣けてくるね。
「ありがとう。大丈夫、もうちゃんと授業聞けそうだから」
「いいってことよ。ダチが困ってるときは助け合うのが義理ってもんだからな」
ホント、いい友達を持ったよ。
いやぁ、うれしいね。
最初にあったときの可愛いよって一言が無かったら僕もう泣いてるね。
最初の一言のインパクトが強すぎて涙すら出ないけどな。
「だからよ、今日の授業終わったら一緒にカフェ行かないか?」
そのセリフ、普段の俺なら快くオッケーしたと思うけど、今の状況を考えると完全にこの後公園の公衆便所で発展の流れだろ。
怖すぎ。
「いいけど一応目的聞いとく。なんでまた」
「いやぁ、彼女とスタバなう的な写真が撮りたくて」
「お前変態かよ!!」
もうどの方向に向かってるのか自分でもわからないんですが




