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だいじゅーはちわ!【魔法使い始めました】

1


「魔法使いになった……?お兄ちゃん正気?一回病院行く?勘違いしないでね、頭のだから」


 え、事実に近いこと言っただけなのになんで憐れむような視線を受けなきゃならないの?

 おいそこ、セレナはこっち側の人間だろ。

 なんで一緒になって冷ややかな視線で見つめてくるんだ。ぶっ飛ばすぞ。


「ま、まあ彼の発言を置いておくとして、今彼が厳しい状況に置かれているのは本当よ」


 おい、なんで今一回置いておかれたんだ。


「そうなんだ……。じゃあお兄ちゃんは今日は学校休むの?」


「おい、なんでそうなる」


「だって大きな病院に行くんでしょう?頭を見てもらいに」


 どうやったら今の会話をそうやって聞き取るんだ。

 耳にヘヴンリーイージスでも入ってるのかよ。


「一から十まで説明すると長くなんだよ。とにかく、今は俺がラノベ的展開になってるって理解してくれ」


「うーん、最近いろんなことがあったしね。その解釈でもいいけど一つなんか証拠見せてよ」


「証拠……?」


 そんなこと言われても、昨晩言われたのは「俺に特殊能力はない」ってことだし、証拠って言われても手 から光が出るわけでも炎が出るわけでも催眠術がかけれるわけでもないしなぁ。

どうしたもんか。

 俺が助けを求めるようにセレナに目配せすると、セレナは俺の胸辺りを指さした。

 胸……?

 あ、そういえば昨日胸のあたりから光出してたっけ。

 紋章とか浮かんでんのかな?


「紋章とかでいいなら」


 そう言って俺は上着をめくる。

 そして現れたのは、『兄妹性愛』の四文字だった。


「きょうだい、せいあ……ッ!なんてもん見せんのよ!バカ兄貴!」


 バッと顔を両手で覆った妹は床に置かれた学校指定カバンを取って大急ぎで部屋から出て行った。

 数秒後、ガチャンと玄関が閉まる音がして、それ以降家の中から妹の声が聞こえることはなかった。

 って、


「おい!魔法陣とかそういう感じじゃなくてもうダイレクトに体に刻印されんのかよ!!」


 ひでぇな!おい!


「あら?言ってなかったかしら?」


「言ってねぇよ!」


 もうどうすんだよ……!あいつが返ってきたときどう反応すればいいんだよ!

 絶対今ので「妹愛」とか体に刺青しちゃう奴と同じぐらいヤバいって思われたじゃん!

 いや、性愛だからもっとヤバいかもしれない……!

 今作何度目かのごーとぅーぷりずん案件ですよ!


「でもこれしか方法ないんだからしょうがないじゃない。それ以外の方法なんてほとんどないわよ。さっきのは一番合理的な選択肢よ」


「例えばほかにどんなのがあったんだよ」


 まだましなものがあるんじゃないのか?


「例えば契約強化の儀式とかかしらね。私とあなたの体に魔法陣が浮かんでより強固なつながりになる儀式よ」


 それとか一番もってこいだっただろ!


「なんでそれにしなかったんだよ!」


「だって契約を結んで数時間しかたってない私たちがそれを行うには交尾するしかないのよ?あんた妹の前で私とそんなことする勇気ないでしょ」


「うっ……」


 それを言われたらぐうの音も出ない。

 確かに妹には俺が愛の営みをしているところは見られたくないな。


「わかったでしょ、さっきの場はああするしかなかったわけ。時間も時間だし、あんたも学校に行かなきゃいけないんじゃなかったの?」


 そうなんだけどさ……。

 なんで朝からこんなお葬式ムードで登校せにゃならんのかね!?

投稿する日付間違えました、申し訳ありません

今回の件は誠に遺憾に感じております

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