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だいじゅーにわ!【幼女先輩の破壊力パネェ。】

1


「あら、飯田さんじゃないですか、おはようございます。今日はお一人ですか?」


「うん、今日は風邪で休みなんだって」


「そうだったんですか……。どうか、お大事にと伝えておいてください」


「ありがとう、ゆうちゃんも喜ぶと思うよ」


 ……、こいつマジで別人やんけ。こわ。

 さすがに中二病の時の俺はこんなに人格分けらんなかったわ。

 まあ、分けらんなくて学校内でも「右手がうずく」とかやってたからスクールカースト最下位になったんですけどね。


「じゃあ授業がんばれよ。俺は帰るから」


「分かりました。さようなら、お兄さん」


 この調子ならこの子がへまする可能性もないだろうな。

 安心っちゃ安心なんだけど、うっかり発動とかはやめてほしいよね。

 例えばあの間延びした感じになって、昼食食べた後とか最も危険なタイミングよね。

 うっかり、「我に跪け、愚民」とかやっちゃいそう。

 そうなったらもうおしまいだな。転校するしかない。


「んじゃ、俺は帰ってレポートでもやりますかね」


 俺の後ろでは幼女たちが「あの人誰?」とか、「私の親戚の方ですよ」とかってやり取りをしている。

 ここにいると恥ずかしさとかあるしとっとと帰っちゃお。


「あっ、お兄さん」


 しかし、呼び止められたので「つい」振り返ってしまった。


「ん?」


 俺の顔が真後ろを向き、梨花を目でとらえた瞬間、


「お見送り、ありがとうございます」


 ちゅっ、と、投げキッスを送ってきた。

 突然のことで反応が遅れてしまって数秒固まった後、行動の愛らしさと発言がダイレクトに刺さるような内容だったので、俺の胸のあたりでズキューンという音を立てて撃ち抜かれるのが体感的に分かった。

 俺はバッと勢いよく後ろに振り返り、速足で帰路に着いた。

 心の中で「ファーーーーーーーーー!!」と叫びながら。

投げキッスとかされてぇよ!(本心)

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