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ぷろろーぐ!【性戦、開始】

プロローグ


「……わね。…………かしら」


 時刻はわからないが、おそらく深夜。

 俺さん、絶賛空き巣らしき人に入られております。

 こえぇよ!起きたら殺されそうやん!


「ぐえ」


 そんなことを考えていたからだろうか。俺の腹の上にドスンと、鈍い衝撃が走った。


「あら、ごめんあそばせ。重かったかしら?」


 完全に覚醒した意識がその声をはっきりととらえ、明瞭に鼓膜に届けてくる。

 その声の主はおそらく女性。

 視界に映る体型は夜の月明りでぼんやりとしかわからない。


「誰ですか……?」


 優しく語りかけてきているのが女性だからと言って、油断するわけにはいかない。

 どこに武器を隠しているかわからないしな。胸の間とか胸の間とか。


「そうね、自己紹介が遅れたわね。私はセレナ。貴方を選定しに来たわ」


 その言葉に思わず眉を顰める。

 セレナ?選定?俺には理解できない単語がいっぱいだ。


「選定? なんなんですか? それ」


「まあ、理解してなくてもしょうがないわ。元から選ばれてる選定者なんて数えるほどしかいないもの」


 目の前のセレナと名乗る女性はおほん、と一つ咳払いし、こう続けた。


「端的に説明するとね、あなたは性癖戦争の選定者に選ばれたのよ」



 ――もし、日常に暮らしていたはずなのに突然非日常に巻き込まれてしまった場合、どう行動するだろうか。

 こんなことってあるんだ!と喜ぶ者、ふざけるなと頭を抱える者、人それぞれだろう。

 この時の俺はこう思った。どうしてこうなった、と。――

はじめまして、華月です

よろしくお願いします(社交辞令)

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