第3話 レブリベルとテスリアル
「おお!おめえがケイトか!全く、待ちくたびれたぞ〜ガハハハ」
荒く、そして力強く頭を撫でられる。
おいおい、それ以上強くしたら首がもげちまうよ。この男、怖いんですけど。
「ガハハハ!おめえ全く髪の毛がふわふわだなぁ、おい!」
やめて、お願いだからもうやめて。
「あ、あの、ブラウさん!もうそろそろ本題に入った方が…」
「おお!そうだなグリム!えーっと!まずは自己紹介だな!俺は、ブラウ=ゲートウィッチだ!ここでは、一応、責任者ってことになるな全く!ガハハハ。」
「え、えと、旭ケイトです。責任者って一体何の責任者なんですか??」
「それは今から説明するさ、俺達がお前ををこの時代に呼んだ経緯も含めてな!」
「まずはだな、お前を除くこの世界のほぼほぼの奴らに人工知能である『マキナ』が埋め込まれてる。これには自動翻訳やら脳内通信やら全く便利な機能がたくさんついてる。」
「ただ、このマキナは脳に直接通じてるから、まあ簡単に言うと、人に悪さできちまうんだ。製作者の自由にな。」
「そして、この世界の誰もに全く埋め込まれてるマキナを独占して作ってる企業がある。」
「つ、つまり、いつでもその企業は世界征服できるってこと??」
「いや、もうやりつつある。『テスリアル社』って会社だ。俺は、そいつらと戦ってる団体『レブリベル』のニホン支部の責任者って訳だ!」
突然の話の規模の大きさに、ケイトは唾を飲む。先ほどのブラウの馬鹿笑いもなくなり、事態の深刻さがひしひしと伝わってくる。
「戦うってどういう風に戦ってるんですか??それに俺が呼ばれた理由があるんでしょう?」
「敬語じゃなくていい!全くその通りだ!
この時代には10万人に1人くらいの割合で異能力を使える特殊な人間がいる!それが唯一の対抗手段だ!」
「戦いとは文字通り、その異能力でテスリアルをぶっ潰そうって訳だ!全く!ガハハハ」
「つまり、俺にもその異能力があると?グリムも異能力者なの?」
「うん!私にも異能力があるわ!私は、植物を操れるの!ケイトにはそれ以上に特殊な異能力があるはずよ!」
「ああ!ケイト!お前の異能力を見せてくれ!!ガハハハ」
ーーーハッハッハ…こ奴等一体何を言ってやがるんだ??俺の超強力な異能力??一度たりとも使ったことないんだけど
「待て待て!異能力なんて使ったことないんだけど!だから自分の異能力がどんなかも知らない!」
「だろうな!ガハハハだから、これからこのマキナで調べるんだよ!敵の作った道具だってのに全く便利だことだな!ガハハハ」
「右手を対象にかざすと、その相手の異能力名が視認できるの!例えば私なら、『コントリーフ』って感じで!」
おいおい、シャレかよ。コントロールとリーフってか。お願い、お願いだから俺のはカッコいいのにして!!
「じゃあ行くよーーー!えいっ!ふむふむ、、ケイトの異能力名はね、『レ
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とてつもない衝撃が建物に走る。グリムの話が止まったのはそれが理由だ。建物の破壊は連鎖し、今にも倒壊しそうになる。
否、倒壊が始まり、ケイト等の頭上に天井が落ちてくる。
待て待て待て待て、このままじゃ死んじゃう死んじゃう死んじゃう
「えい!!!!!」
グリムが地面を殴ると、そこからとてつもない大きさの大木が生え、天井の落下を食い止めた。
「すげぇ…」
しかし創造主であるグリムは、顔色が悪く、鼻血を手で拭っている。さすがにこれほど力を使うと身体への負荷も相当なものらしい。
「oh!!さすが、レブリベルの戦士!!見事としか言いようがありませんなぁ〜パチパチ〜」
拍手しているのはスラっとした長身に、頭部のみが大蛇の頭。すでに倒壊している、ケイトが入ってきた入り口に数人、いや数体のロボット兵のような物を引き連れその男は立っていた。