第2話 START
ーーーーー。
俺は、ケイト。旭 景人。高校2年生。だったはず…なんだが。
起きたら知らない部屋で、知らない格好で。
「何もないな、、、。あのドア以外。」
部屋には1つドアがあるだけで他に何もない。
「ここがどこだかわかんない以上、あそこから出て確かめるしかないな…。」
消えそうな灯りを頼りに、足元を気にしつつドアの前まで歩く、、はずが…
「お……」
転んだ。何もないのに。うまく歩けない。まるで歩き方を忘れてしまってるみたいに。
どうにかドアまでたどり着く。
「開けた途端、大量の水が流れ込んでくるとかないよね…」
恐る恐るそのドアを開けると、そこには
「山の、上か?…。」
下を見れば麓まで木々が生い茂っている。
「さみいな…ん?」
ーーーそこには女性が立っていた。凛とした佇まいと、近未来的なスーツ。空のように澄んだ青い眼と太陽のような橙色の髪。
「待ってたわ!あなたのこと。ちょっと遅くない?」
マントの様な物を手渡しながらニカッと笑うその笑顔はまるで向日葵みたいだ。
「ありがとう。えと…俺を待ってた??君は、その、どういう。。」
「あ、たしかにそうね!えっと、私の名前は、グリム!グリム=リーフィアよ。」
「ぐ、グリムは、どうして俺のことを知ってるの?会うのは初めてだよね??」
「それは、後々説明するとして。とにかく山を降りましょ!」
ーーーーーグリムは手を握り歩き出した。少し歩くと山道に出た。そして胸ポケットから卓球サイズのボールを出し、投げた。そのとたん、卵を横にしたような4人乗りの乗り物が現れた。
「これは…
「これはね、エッグランっていうの。
現代の移動は大抵これを使うわ。さ、さ、乗って!」
無理やりエッグランに押し込まれる。
グリムがカーナビのような物に行き先を設定すると、エッグランは地上から10センチほど浮いて、ゆっくりと山道を下り始めた。
「着くまで少し時間があるわ、ケイト。何か聞きたいことがあるなら答えるけど!」
「ある。あるよたくさん。まずここはどこなの?あとこのエッグ、ラン?とか君の服装からして俺の元いた時代より進んでるよね…今は2000何年?あと…」
「ストップ!落ち着いて!一つずつ答えるね。まずここは富士山!富士山頂
。あと今は、2000じゃなくて3028年!」
「は?いや、え。」
「驚くのも仕方ないよね。ケイトは千年先に飛んできたんだよ!」
「あ、いや、何のために?」
「んー。それは後で!で、他には?」
「そ、そうだね、。えと…今の日本が千年前とどう変わったのかを…」
「んー全部??」
頭を整理できないまま不安げにしたケイトの質問に真面目な顔で返すグリム。
「例えば、ここはもう日本じゃないの!昔の、えーっと、アジア!アジアの大部分がくっついて今は、エイシア。四季の国エイシアって呼ばれてる。」
「エイ…シア。」
「そう!で、各国がくっついて今では、世界には6つしか国がないの。」
その後、いくつか質問を繰り返し、グリムから得た答えを要約すると、まず、言語は統一され、他国の人間同士でも発展した人工知能によって変換され直接脳に伝わるらしい。
先進医療によって平均寿命は100歳をゆうに超えてるものの、過去に起きた大災害によって世界人口は半分程度まで減少していること。
そしてこの世界の全ての人間に人工知能が装着されてること。
その他諸々、ケイトにとって俄かに信じ難い事が未来では起きていた。
ーーーーーその1つである2人を乗せたエッグランは、富士山麓の町、マルタシティの中心部に到着した。
「着いたよ!」
「あ、ああ。これが、千年後の建物なのか…?」
ケイトが街で見た建物などその1つ1つが元いた時代では考えもつかなかった姿形をしている。
「高え…。」
元の時代と似ているようで決定的に違う。それは高さだ。建物、人の背丈。
見た目こそ違うものの、建物の高さ、入り組み方は、ジブリの某神隠し映画さながらだ。
服装に関しては、みんなスノーウェアな様な形の服を着ている。
「おーい!ケイト!行くよー。」
グリムに急かされその建物に入る。すると、背丈2メートル半近くありそうな大男がそこにいた。