分岐点
難産でした。
何回も書き直しました。
登場人物が頭の中で暴れまわる。
普通に学園とか行かせたかったのに。
ランデルは唖然とした。
街道のない山林から人々が現れたからだ。
その数50人もいない。
ボロボロのトリスタン王国旗を掲げていた。
アルバ王子軍はたびたび魔物の襲撃を受けた。
街道はランデル達により安全性は高い。
街道を進むだけなら100人でも大丈夫だっただろう。
200人で統治できるような領土だと慢心し、魔物が溢れる前と同じ様に奇襲のために山中を行軍した。
そして破滅した。
街道から追い払われた魔物達もいた。
勇敢に闘ったものから死んだ。
貴族達も死んだ。
アルバ王子すらもオーガに右腕を食い千切られた。
「ランデル、ランデル、ランデル、ランデル、ランデル、ランデル、ランデル、ランデル、ランデル!!」
その憎しみにより命を繋いでいた。
現れた50人程は重症だった。
駆け付けたランデル達に対して兵士が言う。
「こちら、の、アルバ、王子、が、貴様に、用が、あ、る。」
その先には大量の血を失い、既に冷たくなったアルバ王子がいた。
「何の用事だったのですか?」
問い掛けた兵士も息絶えていた。
すぐに鉱山都市の国王様に伝令が飛ぶ。
海の街にいた将軍アンドゥと、生き残った兵士から状況は聞いた。同盟相手への奇襲。しかも相手に辿り着く前に潰滅。笑えねぇ。
目の前には硬い表情の小僧と数人の侍がいる。
「アルバは小僧の援軍に向かったんだが。こんな事になるなんてな。」
絶対に不義の裏切りを表に出すわけにはいかない。
国としての信を失う。
アルバの名誉のためにも、援軍に向かい、勇敢な戦死を遂げたと後世に残してやりてぇ。
八柏とやらが聞いてくる。
「援軍、ありがとうございます。
しかし、前触れもなく援軍を送るなど、我々と戦になっても可笑しくないのでは?」
「前触れも全滅したのかも知れねぇな。」
「道なき山中を進んだ様子。何ゆえ援軍がその様な真似を?」
「魔物を追撃していたんじゃないのか?」
「軍が通った進軍跡を辿りました。街道から山中に入って半日した所で戦闘が発生。敗走したようですが。」
「俺が指揮してたわけじゃねぇからな。何で山中に入ったのやら。」
「海の街から出発したようですが、まるで鉱山都市を避ける行軍だとか。」
あぁ、コイツは気付いてやがる。
「そこは知らねぇよ。」
「避難民を迎えに、軍が出ると先触れはありましたが、未だに迎えがないとか。」
周りの貴族達が騒ぎ出す。
「貴様、無礼であるぞ!」
「言いたい事があるなら言え!」
阿呆が!!それを言わせねぇために惚けてるんだろうが。
「いや、いいさ。俺は気にしてねぇ。色々忙しくてな。手違いがあったんだろうさ。」
惚け通す。ここをやり過ごせばなんとかなる。
「しかし、アルバ様が奇襲をしかけようとしたかの様な物言い、許せませぬ!!」
馬鹿ヤロウ!!
こっちがそれを言ってどうする!!
「ええ、生き残った兵士達から、我々に奇襲を仕掛ける予定だったと聞いています。もちろん、証人として手厚い治療をしています。」
クソッ!!
「死にかけて適当な事を口走ってるんだろ。戦場じゃよくあらぁ。」
「そうですか。しかし、アルバ様は気前がいい方の様子。我々を殺した後の領土割りや恩賞を前もって紙に書いて渡しているのですから。」
あの馬鹿ヤロウが!!
「あん?ソイツはトリスタン王国と訣別するってのか?」
脅しをかけて会話自体をなかった事にさせるか。
小僧に自前の兵はいねぇ。
「そんなら、小僧に貸した兵200は引き揚げるぜ。」
同盟相手とはいえ、どっちが上かは知っとけ。
その時、侍が駆け込んでくる。
「『聖女の槍傭兵団』『護りし盾の傭兵団』『バイカル傭兵団』を筆頭に傭兵5万がシルクネージュに到着!!
『血霧傭兵団』を筆頭に傭兵2万がこの砦に間もなく到着!!
『鷹と鷲の傭兵団』『駆ける狼の騎士傭兵団』を筆頭に傭兵6万が交路都市に到着!!
後続も続くとの事です!」
なんだと!
「つまり、我々はこの傭兵団を使って貴殿方と戦わなくてはならないのですか?
あぁ、後続は鉱山都市の辺りとか。」
八柏とやらが話す。
ハッタリか?
「傭兵団とみられる集団がこの砦に向かっています。その数、万を超えるかと。」
騎士が駆けてきて耳打ちする。
ここまで仕込んでいたのか?
俺が脅すトコまで読んでいたのか?
小僧はずっと目を閉じている。
どうする?
金で大勢の傭兵団を出すかは迷いました。
ただ、この後にレア度の高いカードが出てくる前にこの世界の傭兵達に暴れさせようかと考えました。さて、傭兵の皆さん、暴れてくださいね。




