交渉
場所を宿の部屋に移って話がすすむ。
「ワシがランデル坊やと呼んでも気付かんとは迂闊じゃのう。
ヒントのつもりじゃったんじゃが。」
気付きませんでした。
「侍を連れた子供がトリスタン国王のトコにおる。
そんな話は聞いておった。この辺で侍は珍しい。
後は調べれはばわかるわい。
のぉ、辺境の少年王よ。
会ったことのない相手が己の名を知っておれば、自分に会いにきたと警戒せねば。
そちらの侍さんは反応しておったぞ。」
えっ、名前だけで気を付けないといけないの?
辺境だと、皆僕の事知ってるんだけどなぁ。
「さて、商談じゃったな。何かな?」
「開拓民や兵士の募集、そして傭兵団の雇用をお願いしたいんです。夏さんには仲介料をお支払します。他にも食料や馬等を大量に買います。
ただ支払いが古代ロンドニアス金貨になります。」
「単刀直入じゃな。交渉や情報操作をせんのか?」
「その辺はわかりませんから。ならば商人夏さんに任せ、いい取引にするしかありません。
ちなみに、悪い取引であれば次回以降はなくなるだけです。」
「任せると言いながら脅すとはのぉ。しかも脅しにもなっとらん。」
この老人には勝てる気がしない。
ならば、負ける気で話をするか。
大損をしよう。
古代ロンドニアス金貨を机の上に置く。
「古代ロンドニアス金貨20枚です。後は任せます。それと古代ロンドニアス金貨5枚の両替をお願いします。」
「なっ!!」
初めて老人が絶句した。
一矢むくいたかな?
「大国以上の取引じゃな。
人は奴隷を買えばよかろう。かき集めても予算が余ろうて。何十万人買う気じゃ?
小国が国ごと買えても可笑しくなかろう。
そんな金を準備金として移民を集えば、他国に恨まれる結果になろうて。
傭兵団も大物が幾つも雇えよう。
はぁ。」
あきれられたみたいだ。
「食料は問題なかろう。日持ちがする物。種になる物。動物もあるの?
むしろ置く場所が足りまいて。」
さらにあきれ果てたようだ。
「ところで少年王とは?」
「トリスタン国王のトコに出入りしとる商人がおるじゃろ。そやつが国王から聞いたそうじゃ、『俺の同盟相手だ。辺境はあいつのもんだぜ。』とな。」
いつの間に王様になったんだろう。
国名もないし、平屋に住んでいるんだけどなぁ。
「他にも好色王、侍の主とかもあるのぉ。」
な、なんですとぉー!!
「商人達くらいしか知らんじゃろが、ランデル坊やは噂になっておってな。未開の森に住む「蛮族の王」と予想しとるもんもおったな。」
いえ、未開の森を切り開く開拓村出身です。
「ククク。奴隷は珍しい種族の美女も集めようて。」
「いえ、間に合ってます。」
「そうは言うてもエルフや獣人は戦力としても素晴らしいぞぃ。」
「エルフ!!」
「好色王じゃの。」
言い返せませんでした。
「まずは自身の服装をなんとかしなされ。それでは村の子供と変わらんて。」
服を仕立ててもらう事になりました。
新たな称号を手に入れた
「辺境の少年王」
商人の注目を集めている。辺境にいる限り、周辺国の注目を集めない。
「好色王」
色々な意味で夜に強くなる。貢ぎ物として女性が差し出される確率がはねあがる。
「侍の主」
侍の国武雄に使者を出しても追い返されない。
「蛮族の王」
各地にいる蛮族と交渉する事ができる。
蛮族から尊敬される。




