籠城戦③
お年玉投稿です。
籠城戦3日目。
小川祐忠は敗走していた。
鉱山都市を攻めるダンジョンモンスターに横撃を加えようとした際にオーガ達の襲撃を受けたためだ。
オーガナイトやビックドッグという4メートルの犬型魔物を数を減らしつつも蹴散らした。
このまま押しきろうとした時、オーガジェネラルがサイクロプスを率いて現れた。
「ダンジョンモンスターは凌げそうだな。どう思う?」
国王、公爵、伯爵の密議が行われていた。
「彼らのおかげで兵の損失はありません。しかし、ん?」
外が騒がしい。
「オーガやサイクロプスだ!!」
馬鹿な貴族が騒いでいた。
「指揮官が騒ぐんじゃねぇ!!」
国王が外に出て一喝する。
しかし、都市外を見て目を見開く。
戦闘が行われていた。侍とオーガ共だ。
それはいい。オーガの奥に獅子頭の魔物がいる。
6つの腕をもち、禍々しい大斧を引きずっている。
こんなところにいていい魔物ではない。
「ライオニアスだと!!」
公爵が叫ぶ。
かつて魔王が世界を席巻した時代。
魔獣を従えし魔王の側近。
壁画に描かれ、吟遊詩人に唄われた存在。
魔神の大斧を振るい、殲滅魔法で軍や国を滅ぼした。
死んでから数百年はたつはずだ。
「状況を確認するぞ!!ダンジョンモンスターを蹴散らせ!!偵察を出すぞ!!
手配しろ!!」
中馬武蔵はオーガに組み付き首を折る。
残っているのは自分と小川殿のみ。
指揮官を討たれるは恥。小川殿を逃がして敵を足止めする。
「ワワワワワ、ワレレ、アアアアアア」
不気味な声が響く。
声のもとには小川祐忠の首を持った、ツギハギだらけの身体の獅子頭の魔物がいた。
一瞬で脇差しを投げつけ組つく。
「うおぉぉ!!」
大斧で中馬武蔵の首が飛ばされた。
それを見ていた侍たちの行動は速かった。
皆が駆け出し白兵戦でダンジョンモンスターを蹴散らす。
いや、ダンジョンモンスターは獅子頭の魔物に向かっていく。
「ラ、ラ、ライオニアス、ニアス、デ、デ、デアル!!」
雄叫びか、名乗りか分からぬ大声。
それは深淵の魔の復活を告げるものであった。




