籠城戦②
お年玉投稿。
実は誕生日だったりします。
夜が明ける。
敵の攻撃の中、安全な場所で寝るのには慣れていた。
だがここの兵は違うらしい。
一晩で疲れきった顔をしている。
元々、名をあげる事が俺の目的だ。
矢筒を確かめる。
塀を乗り越え、敵で溢れる土塁に降り立つ。
剛力を生かし敵を薙ぎ払う。
「我こそは品川大膳将員なり。
ハハハハハハ!!」
目立ってこそ戦の華なり。
弓を構え矢を放つ。妙技を見てみろ!!
「良き武者よ。我は馬渡賢斎。助太刀いたす。」
馬渡賢斎が合流し、押し返していく。
兵たちが沸き立つ中、赤座直保は頭を抱えた。
「塀も壊され、土塁も崩れた拠点。取り返してどうする?維持しようとすれば兵を失う。」
戻れと指示してもあの手の侍は戻らない。
また兵も同士討ちを怖れて弓を使えない。
「阿呆が。」
赤座の声には静かな怒りがあった。
しかし、勇士を見殺しにはできない。
荒武宗幸に駆け寄り指示を出す。
「荒武殿は数人を率いて彼らの元へ、合流後は方円にて待機。某が数人を率いて合流する。
その後は2隊で押し返す。
機を見て繰り引きで引き上げる。
準備なしの夜戦などできまい。」
赤座直保は己が優れているとは思っていない。
生き残るために慎重に、必死に行動するだけだ。
荒武宗幸が駆け出す。
引き上げてくる赤座達を城壁の上から公爵が見下ろす。
敵を蹴散らし、 引き返し、また蹴散らす。
上から見れば老練な采配がわかる。
都市では兵たちが休んでいる。
また敵が押し寄せるだろう。
今宵も兵は眠れぬ夜を迎える。




