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具現化
3歳になり、初めて独りで家の外に出る。
村全体で子供の面倒を見るからこそ許されることだ。
でも、今日は目的がある。
カードの具現化だ。
3回の覚醒が終わったカードは2枚のみ。
説明の時に覚醒させた「山県源内」。
もう1枚は「青山虎之助」だ。
さすがに家の中で具現化はできなかった。
だって、突然知らない人が現れるんだよ。
そんなのが家の中なら、村中が大騒ぎだ。
だから、家の外で独りの時と決めていたんだ。
「具現化」
目の前に二人の男が現れる。二人共、日本人っぽい。
この世界では武雄国というはるか東の国になるはず。
一人は筋骨隆々とした武人だ。無数の傷が歴然の証だろう。
もう一人は平凡そうなオッサンだ。
すぐにでも村に溶け込みそうだ。
すぐに指示を出す。
「二人共、レベル上げを中心に自分を鍛えてきて。
悪いけど、今の僕には二人を養う事も、配下として従える事もできない。
鍛練と近くの街で拠点作りを頼む。」
それだけの指示だが山県源内は頷き、青山虎之助の姿は風景に溶け込むように消える。
まかせたよ、最初の配下たち。