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終わらない危機
「ここらでよか。そん姿、村に残したもんに見せれもんそか?」
西郷隆盛の哀しみをたたえた声が響く。
「だ、だまれよ。だまれよ!
楽して生きられるんだぜ。」
「ランデルをよこせよ!!
俺は、俺は偉くなるんだ!!」
何人かは恥じるように下をむくが、多くの村人は欲望を剥き出しにする。
「我等はお館様を守護し、ここを離れましょう。
このままここにいれば、彼らはお館様に危害を加えましょう。
さすれば、お館様の望まぬ結果が待ち構えていよう。」
言葉をそこで切り、真田信勝はそのように発言する。
侍たちは頷き、村人達は動揺する。
「待てよ。お前らがいなくなったら、誰が俺を守るんだよ!!」
そんな叫びがあがる。
夜のとばりがおちてきていた。
そんな中で東の街道から土煙があがる。
逃げてきた冒険者や街の人のようだが、様子が変だった。
後ろから追われているのだ。
しかし、いがみ合う村人達は気付かない。
侍たちは空気が変わったことに眉をひそめる。
ランデルはまだ気を失ったままであった。




