18/135
終わる日常
何かを失った感覚で目を覚ます。
すぐに山県源内を失ったことがわかる。
スキル「ガチャ」の能力の一つだろう。
確か山県源内にはシルクネージュを目指させたはずだ。
彼が死んだという事は街で何かあったのだろうか?
いけない。このままでは皆が危険だ。
「母さん!!」
そう叫んだ時に目の前に一人の男が転がってきた。
「お逃げください。この先はすでに魔物の群れが。」
青山虎之助だった。
あちらこちらに傷をおい、ボロボロである。
気付いた村人が悲鳴をあげる。
「山県源内が死んだ。街で何かあったの?」
青山虎之助は一瞬悲しそうな顔をし告げる。
「彼は西の山にて足止めをしました。」
西からも魔物、街への道にも魔物。
どうすれば。
また悲鳴があがる。
ゴブリンの群れだ。
「南にお逃げください。」
そう言って青山虎之助が駆け出す。
手から炎を放ち、クナイを握る。
村人たちは北と南に逃げ出した。
いや、西に逃げる人すらいる。
その時、足元に何か転がってくる。
それは見慣れたジョン兄さんの頭だった。