場面は変わりて
年度末である事や体調不良等あり、毎日更新が難しくなりました。すいません。
坂井政尚は未だにマルナ王国に到着していなかった。大日本帝国の正式な使者である。各国が通過だけさせるはずがなかった。歓待を受け、魔物や賊討伐への助力を要請される。安全なルートを選んだのが裏目に出ていた。
対して佐久間信盛率いる7000はすでに滅びた国々を通過している。7000の軍勢に手を出す賊はいない。順調に北上をして、信虎の軍使多田常昌に出会う。多田により魔物の数を知る。7000では勝てない。
軍議が行われるが意見は割れる。退くべきと言う意見、一戦もせず退くべきではないという意見。
佐久間信盛は進軍を決断した。
「何も20万全てと戦をする必要はなかろう。
山や森を利用すれば牽制はできそうなもの。
その後に退こうぞ。」
玉虫色の回答でもあるが、冷静な将としての判断でもある。
侍だけの20人が魔物達に仕掛ける。
コモン「足立六兵衛」が大身槍で敵を仕留める。
称号「頚取り足立」を持つ長身の豪傑である。
「・・・いくぞ。」
前方は全て敵だ。槍で突くのではなく、薙ぐ。
剛力をもって一薙ぎで複数を排除する。
アンコモン「平塚久賀」もこの世界で手に入れた「鉄棍」を振り回す。名に聞こえた「大剛の者」である。敵を砕き、蹴り飛ばし、頭を掴んで投げつける。ある程度暴れたところで声をあげる。
「潮時ぞ!!」
各々で暴れていた侍達が退いていく。
19名の侍達を追いかけて魔物が列をなす。
ただ1名、アンコモン「大浦政信」のみ未だに槍を振るっていた。
「ふん、儂にかかればこのような敵!!」
彼は具現化されて以降、横柄な態度を取り続けていたために一緒に行動する者がいなかった。
そして策をよく理解していなかったために突出していた。己が取り残された事も理解していない。
そんな政信の前にオーガ達が現れる。
だが足りない。オーガでは足りない。
技というものではない。槍で叩き、打ち据える戦場の業。政信は止まらない。
「貧弱!貧弱!!いや、儂が強いのだ!!」
オーガもオークも蹴散らして快進撃は続く。
槍が折れるが関係ない。敵から奪うのだから。
「死ね、死ね、死ねぃ!!」
突如足をとられる。足元から胴体、腕へと大蛇が絡み付く。政信の力でも振りほどけないどころか、きつく締め付けられる。さらに鎌首をもたげ、頭から呑み込もうとしている。即座に魔法を使い、ツララで蛇の口の中を攻撃する。しかし、レベルの低い魔法スキルでは貫けなかった。
何発か撃ち込むがほどけない。森の主と言われていた意地か。すでに死んでいた大蛇を振りほどけず大浦政信は圧死した。