ダンジョンアタック①
石を拾い、逃げるモンスターの背に投げ付ける。
動きを止めた相手を切り裂く。
1人でのダンジョンアタックは気を抜く事ができない。緊張しすぎだとはわかる。しかし、気楽には進めない。
休憩には魔除けの護符を使った。
ダンジョンモンスターが近づいてこない事を確認して、ホッとする。
すると、汗や血の匂いが気になりだした。
「ハハハ。やっぱり現実だ。」
転生物の小説でカッコよく冒険者をする主人公。ゲームの中の勇者。
いきなり活躍できるって、どんなチートだよ。
今すぐ小便チビって逃げ出したい。
休憩しながらモンスターから手に入れた剣や槍を整備する。売っても大した金にはならないけど、使い捨ての武器としては充分だ。
敵に差した後、わざわざ引き抜いたり、歯零れを気にしないですむ。
ちなみに、槍は投げる物ではないと学習した。
2~3メートルなら兎も角、10メートル以上先に投げたら目標に当たらない。
空中でグネグネしだして逸れていく。
槍を投げる俺って格好いいとか思った俺、出てこい。
短い槍ならなんとかなるかなぁ。
しゅ、手裏剣とかいいなぁ。
砂時計で時間を計っていると3時間程度でモンスターが視界に入り出した。さすがに近づいてくるモンスターはいないが。
護符がこのくらいなのか、スキルレベルが1だからなのか。それとも初めて作った護符で、まだ完璧でないのか。
まだ10階にも届かない。
集団で出てくるモンスターにてこずる。
まさに数は力だ。
青銅なのだろう。緑がかった青い槍でひたすら突く、突く。薙ぐ、払う。
折れれば敵から奪って使う。
8階ですでに疲れた。
だが、少し槍や剣がわかってきた。
最悪、力任せに叩きつければいいのだ。
練習通りにいく実戦はない。
より早く、より力強く。
本当はキチンとした師に習うべきなんだろうけど。
まずは実戦で身に付けよう。
魔除けの護符を使う。休もう。疲れた。
カラカラカラカラ。
鳴子が鳴り響く。
いつの間にか熟睡していたようだ。
慌てて起き上がり、モンスターを火魔法でコンガリと焼き上げる。
ダンジョンの中でグッスリ寝るとか無謀だ。
だが、熟睡したおかげで疲れは取れた。
さぁ、30階を目指そう。
それからは頻繁に休憩を取って仮眠をする事で、熟睡を避けた。
そして29階。
30階は目の前だ。
そしてランデルは必死に防戦をしていた。
29階でモンスターハウスの罠にかかってしまったのだ。
十数体のオーガを始め、ゴブリンナイト、ブラッドウルフ、カラクリ兵士、ゴーストナイト。
様々なモンスターが出現する。
即座に土魔法で防壁を作る。
さらに高台を作り、そこから魔法で攻撃を開始
できなかった。ゴーストナイトが後ろに現れて攻撃してきたのだ。「直感」に従って剣を後ろに振って良かった・・・・。
気付かずに後ろから斬られるところだったよ。
光魔法で浄化をする。光魔法を嫌がり後退するゴーストナイト。2体しか倒せなかった。
しかも、その間に防壁は乗り越えられ、破壊される。急いで土魔法で落とし穴を作る。
敵が落ちていく。そこに水魔法で水をかける。
水魔法、水魔法、水魔法。
溺死を狙うのかって?
スキルレベル1じゃ無理だ。
ここで、
クソッ。
またゴーストナイトに邪魔をされる。
光魔法を連発するがまた数体しか倒せない。
ゴーストナイトが後退した隙に氷魔法を使う。
濡れた体に氷魔法はキツいだろ?
スキルレベル1の氷魔法じゃ、あっさり相手を凍らせるなんて無理無理。
狙うは凍死、又は凍傷。
ゴーストナイト以外の動きが鈍った隙にゴーストナイトを始末する。さすがに魔力はあまり残っていない。さぁ、決戦だ。