切れない鎖
「どうやら招かれざる客がきたみたいだ。電話切るぜ」
電話を切ったジョウは椅子に座りながら振り向き、ディオと対面した
「それでディオさんが俺に何のようかな?」
「アースの情報を聞きに来た。お前アースの構成員なんだろ。」
「ヘェ〜。早速くるとはな。それよりあんた足元には気をつけたことあるか??」
舐め回すようにディオ見ると足元に目を配らせた。
それを見てディオは自分の足元を見た。すると右足に鎖が巻きついていた
「なに!!」
チェーン☆ブラント
切れない鎖
魔力でできた鎖は、何者にも切ることはできない
「ヒャ‼︎ハーーーー」
一瞬で吊し上げられると建物の壁に思いっきり叩きつけられた
「俺のチェーン☆ブラントが巻きついたら二度と切れない。つまりお前は俺から逃げられねぇ!!」
再びチェーンを振り回し建物の壁にディオを叩きつけた
ジョウはなんども叩きつけると鎖を引き寄せた
すると鎖の先に付いていたのは天天ハンマーであった
「一体何を振り回してるんだ?」
ジョウの背後から5mほど離れた場所にディオは立っていた。
鎖の先のハンマーは時間がたち消えた。
「お前!いつ入れ替わった!!」
「さぁね。不意打ちしたお前に話す義理はないね」
「チッ!死に晒せ!!!」
ジョウは構えると鎖をしならせ、ディオ目掛け叩きつけた。
ディオは天天ハンマーを出現させると、鎖を弾いた。
ジョウは怒り狂うように鎖を振り回し、攻撃を緩める事はなかった。ディオはそれを天天ハンマーで弾き防いでいた。その激しい攻防にあたりの建物など被害が拡大し始め、あたりにいた人々はどんどん逃げ出していた。
このままでは、街の人々に死者が出かねないと思ったディオは、防ぐのをやめ攻めに転じた。
ジョウが鎖を伸ばして来ると同時に、ディオは天天ハンマーをジョウ目掛けて投げ飛ばした。
交差するハンマーと鎖。向かってくる鎖を避けることなくディオはハンマーと位置を入れ替えた。
すると伸びきった鎖を掴みジョウを引き寄せた。
「なに!!」
ディオは引き寄せたジョウを右脚で蹴り飛ばした。とっさに左腕で防いだジョウの左腕は曲がっていた。
蹴り飛ばされたジョウは、そのまま建物壁に叩きつけられた。ディオは畳み掛けるように、ジョウ目掛けて走り込んでいった。
その間に3秒がたち、ディオは再び天天ハンマーを出現させた。
ハンマーを持つとジョウ目掛けて構えた。
ジョウは左腕が曲がったのを感じると、鎖を巻きつけ補強した。
その時点でジョウは感じていた。今対面している敵は、物怖じしてもいいほどの格上だということ、だがジョウの感情はその逆であった。初めて感じる血がたぎるほどの逆境に心踊っていた。数分先につくであろう決着。その先に自分が立っていることを想像すると、体中の細胞が呼応した。
「俺は負けねぇ」
向かってくるディオに補強した左腕をかざした。すると巻かれていた鎖が増幅し、ジョウの体に巻きついていった。すぐに全身に巻き付いた鎖は増幅を続け、体積を増やしていった。
向かっていったディオはその鎖に巻き込まれてしまった。
気づけば鎖の体積は10mほど増え、歩く鎖の化け物へと変貌していた。
覆われている鎖は、体積中を流動するように流れ続け今尚体積が増え続けていた。
その流れの中にディオはいた。
「このまま鎖のなかで死ね!ディオ!」
鎖の中から喋るジョウ。するとヒヨコの鳴き声のピヨといった音が、鎖の中から聞こえた。その音の数はどんどん増えていった。
その音が増えるたびに鎖の化け物の体は膝をつき倒れ込んでしまった。
流動していた鎖の体もみるみる遅くなっていった。
遅くなった流れと同様に、鎖の巻きつきも弱くなりディオは鎖から体を出し、鎖から脱出した。
鎖の体に耐えられなくなったジョウは、鎖をといて元の姿に戻ってしまった。
「貴様。なにを...」
倒れこむジョウは体を起こせないでいた。
なんとか顔を上げ、ディオを見上げるとある変化に気付いた。
天天ハンマーが大きい形状からステッキ状に変化していた。
「お前の軽さを奪っただけだ。天天ハンマー ミドルサイズ は対象者に攻撃を当てれば当てるほど、対象者の軽さを奪い、重さへの抵抗力を失くす。これで大人しくなったか?」
「くっ」
それを聞いてジョウは再び顔を伏せた。
その間に天天ハンマーを元のビッグサイズに戻した。
「お前はよくやったよ。最後に組織の幹部の名前教えろよ」
それを聞いてジョウは少し笑みを浮かべた。
「誰が貴様に教えるか!!」
「そうくると思った。じゃあゆっくり寝な!!」
天天ハンマーを振り下ろすと、気の抜けるようなヒヨコの鳴き声のような音が響きジョウは気絶した。