美しい髪たち
「ん??」
ディオに向かって黒い糸のようなものが弾丸の如く飛んできた
「髪の毛??」
ディオは簡単に避けるとそれが髪の毛であると認識した
そして超直感で敵の数を予測した
「二人か?おい!見てたんだろ!!降りて来いよ」
近くの建物の上に二人隠れていることを感じた
「どうする?せっかくの覚醒者を見逃すの?」
「あたしが時間を稼ぐから幹部のあなたが回収してください」
「わかったわ」
女の話し声がかすかに聞こえると長髪の女が建物から飛び降りてきた
すると女の髪の毛が急激に伸び着地のクッションになり、なおかつ倒れこんだ男を髪の毛で絡めとり仲間がいるであろう建物の上に移動させた
「逃がすかよ!!」
ディオは壁に向かって足を踏み込むとそのまま建物の上まで飛び上がった
そのまま受け取った相手がいるであろう場所めがけてハンマーを構えた
「なに!?」
すでにそこに敵の姿も男の姿もなかった
「まだだ!!」
超直感で逃げた相手を直感した
するとすでに建物の下の通りにいるのを感じた
「くそ!瞬間移動の能力か!!逃がしてたまるか!!」
「それはこっちの台詞よ」
すると先ほどの長髪の女が髪の毛を自在に伸ばし建物を上って来ていた
ビューティフル・ヘアーズ
美しき髪たち
魔力の込められた髪の毛は変幻自在
縦横無尽に襲い掛かる
女は背後からディオめがけて大量の髪を伸ばした
ディオはそれをどうにか避けた
「何!」
すると伸ばした髪の毛とは別に女から髪の毛が伸びると、ディオを思いっきりたたきつけた
「この女!俺の回避する方向を誘導しやがった」
ディオは建物から地面にたたきつけられた
それを見て女も髪をクッションのようにして着地した
「あなた避けるのが得意みたいだけど、あたしのビューティフル・ヘアーズから逃げられるかしら」
ディオはすぐに起き上がると女を見た
「こいつは超直感とは相性悪そうな相手だな。まぁいい」
ディオは小声でつぶやくと女に向かって走り出した
「なにいってるか!わかんないわよ」
再び四方から髪を伸ばした
ディオは避けずそのまま髪の毛につかまってしまった
その拍子に天天ハンマーを落としてしまった
「捕まえたわよ」
ディオの手からハンマーが離れて3秒立つとハンマーの具現化が解けてしまい消えてしまう。ただ..
「え!」
その3秒間の間ディオはハンマーと自分の位置を変えることができる
すると捕まえたはずのディオが天天ハンマーと入れ替わっていた
女はそれに驚いたがすぐにディオの位置を探った
ディオはハンマーの落ちた位置から女の背後に向かって走り出した
「お前は8割の髪の量で相手を攻撃し、避けられた際に2割の髪で攻撃する」
そのとおりに女は2割の髪の量で攻撃してきたが、それを超直感で避けるのはごく簡単なことだった
「それを繰り返し相手を弱らせ最後に大量の髪で捕縛し相手を絞め殺す」
ディオは走りながら言っていると、3秒がたちハンマーが消えた
「どうやらおれにはそのパターンはきかなかったみたいだな」
そしてディオは女の背後に回りこんでいた
女はその間に自分の戦法をこんな短時間で看破されたのに驚愕していた
看破にいたったのも超直感があったからである
ディオに対しての最初の誘導攻撃の際に敵のパターンをすでに直感し、それに見合うような戦術で対処したからである
ディオは再び天天ハンマーを取り出すと女めがけて構えた
「なっ!」
すると長髪の女の背後に先ほど逃げたであろう女が現れた
長髪の女の肩に触れると二人そろって姿を消してしまった
「またあいつか!だがまだ近いぞ!」
瞬間移動したように見えたがどうやら長距離を移動するのが苦手なように感じた
それを裏付けるように少しずつ移動しているように感じていた
「追ってもいいが奴らが逃げた方角はだいたいつかめた。あとは情報収集をかねて街を探ってみるか。それに奴らも忘れ物してるしな」
そう言ってディオが最初に殴り飛ばしたブローカーの襟をつかみ言った
「こいつにも知ってること洗いざらい話してもらうか」