大監獄 ヘル・プリズン
地獄そこは罪深い者たちの巣窟
多くのものが死よりも残酷な苦しみを味わう場所
ここは魔界や冥界などとも呼ばれている
地獄の大監獄 ヘル・プリズン
ヘル・プリズンには主に人間界で罪を犯し償いきれなかった死者や罪を犯した天使、悪魔などが幽閉されている
そして地獄並びにヘル・プリズンを統治し、守っているのが冥界の王 ハデスである
地獄
大監獄 ヘル・プリズン
地獄門
ヘル・プリズンの入り口地獄門の前に一人の美しい女性が立っていた
「あんた何の用だワン!」
地獄門の門番 ケルベロスが女性話しかけた
「彼を迎えに来ましたわ」
「何のことだワン!」
デカイ図体に三つ首に鋭い牙、その面持ちには似つかわしくないかわいい声で話すケルベロスに初見のものは必ず笑い出すであろう
そして笑ったものはすかさずケルベロスの腹の中行きである。ケルベロスは声を笑われるのが一番嫌いだからだ。だがその女性は聞きなれているのか一切笑わなかった
「ハデスに伝えなさい。アテネが来たとね」
品があり、美しくも凄みのあるその一言にケルベロスは圧倒された
大監獄 ヘル・プリズン
王室 ハデスの間
「ハデス様。アテネ様がお見えになったそうです」
ハデスの側近 バビロン
ハデスの優秀な部下であり、右腕である
「あぁ!何の用だ!」
ハデスは玉座に座りながら机に向かって書類を整理していた
「まぁいい!ここに通せ!と言ってももう来てるか」
アテネはすでにハデスの間に来ていた
「あら!おじ様!お久しぶり」
アテネは悠長にハデスに話しかけた
「空間移動はお手の物だなアテネ。一段と美しくなったな!」
「そんなおじ様も眉間のしわが増えてますわよ」
「これは元々だ。それで何しに来たんだ」
悠長な会話から一変し、アテネの顔が少しこわばった
「ディオを迎えにきましたわ」
「はははは!」
それを聞くやハデスは高笑いをした
ハデスの笑い声が監獄全体に響きわたるではないだろうかと思うほどの笑い声であり、それだけ滑稽なことなのだと伺えた
「おじ様。本気よ」
「やつはまだ一世紀ほどの幽閉期間がある。例え姪っ子の頼みでも聞けんな。誰の差し金だ」
「お父様よ。ちゃんと許可状ももらったわ」
アテネが手をかざすと亜空間から許可状が出てきた
それをハデスに渡すとハデスは書面に目を通した
「ほう!面白い。あの件を奴にやらせようというわけだな。よし。わしも許可してやろう勝手につれてけ」
「え!おじ様手伝ってくれないの!いけずだこと」
アテネは少しすねながら言ったが半分おちょくっていた
「お前の能力なら楽勝じゃろ。さっさとつれてけ」
「はーい」
気づくとアテネの姿はすでに消えていた
「せっかちな女神様だな。誰に似たんだか」
ハデスは再び書類の整理を始めるとボソッとつぶやいた